薄桜鬼永訣録～新選組小話～《土方歳三》 (ページ43)

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四一、女性陣ページ43

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「ここは男所帯なんだよ
　女が来ていい場所じゃねぇ！」
「でもさっき来てたやないの！」
「お玉さんは違
　「何でうちは門前払いなん！？」

土方が言い終える前にAの声が重なる
と、そこに近藤にお茶を持ってきた千鶴が
通りがかった

「なぁ小姓さん？？この人酷ぅない？」
「えっ…あ…」

唐突に話を振られた千鶴は
Aと土方を交互に見る

「いっつもうちのことは
　冷とうあしらうんよ！」
「A！」

そこで突然Aが千鶴の手を掴んだ

「あんたはん…おなごみたい、
　やのうて、おなごやろ…？」
「！」
「！」

ぎょっとして土方がAをみる
千鶴もどう答えて良いのかわからないようだ

「まぁまぁよう目の肥えた娘はんなこと」

と、そこにお玉が現れ助け船を出した

「土方はん
　この子の目ぇはよろしゅおすなぁ」

そういうと彼女はAの横に座る

「たしかにその子はおなごどす」
「お玉さん！」
「そやけど、それを知ったはるのは
　ここの幹部だけや。
　他の平隊士はんはこの子の事を
　男や思てます」
「えっ…」
「分かりますやろ？ここは男所帯
　おなごは許されへん場所。
　この子はそれでもわけあって
　新選組が預かったはります。
　そやけど預かる以上は男はんの姿してへんと
　預かれへんさかい
　土方はんの監視のもとで
　こうして過ごしておりますのや」
「そう…やったんや…」

驚きのあまりにAが固まっていると
お玉はくすくすと笑った

「でも千鶴はんにとっては
　あんたはんみたいな
　年の近い子と話せる楽しい時間やわ」

なぁ？千鶴はん、と彼女の方に顔を向ける

「は…はい…」

そうは答えるものの
千鶴はいつ土方が怒るかと
そればかりが気になっていた

「千鶴はんがお給仕なら
　この子はお昼だけ千鶴はんの話し相手兼
　屯所の掃除係、なんてどうどす？土方はん」

黙り込む土方に誰もが息を飲む
一人堂々としているお玉は
それを平然と見つめていた

「俺からもお願いしてぇよ。
　千鶴も一人じゃ可哀想だし」
「Aちゃんが来たら楽しいですよ」
「俺もそう思う」
「同感だな」
「副長、恐れながら自分もそう思います」

次々に幹部たちが口を揃えて頼み始める

「……昼だけだ」

言い負かされた土方は苦渋の決断を出した

「おおきに土方はん！」
「ありがとうございます土方さん！」
「おおきに」

＿＿こうしてAと
新選組の関わりが始まっていったのだった

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