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四十、仲介 ページ42




その翌日のことだった


「ごめんやす」


屯所にいつもと同じようにお玉が訪れ
皆が彼女からの報告を聞いている


「今日はこのくらいどす」
「そうか。わかった」


笑顔を見せる近藤に対し
土方は眉間にしわを寄せていた


「えぇ男はんが台無しや言うてますやろ
 土方はん」


呆れたように話しかけた彼女に対し
土方は鋭い目付きでうるせぇ、と返す


「女でこの土方さんに
 言いたい放題言えるのって
 お玉さんくらいだよなぁ」
「確かに…俺なら言えねぇ…」

感心しながら彼女を眺めるなか
千葛はほな、と立ち上がって
部屋を出ようとした


「あれ」

しかし突然屯所の門前で立ち止まる


「土方はん」
「なんだ」
「ちょいと来とくれやす」


言われるままに傍によった土方に
彼女は門前を示した


「A!」


その言葉に誰もが顔を覗かせる


「いつぞやの!」
「ああ!Aちゃんだ!」
「どこどこ!?」
「押すな平助!」
「そういうお前もな」
「お前らは戻れ!!」


怒鳴り散らす土方に対して
Aは気まずそうに立っていた


「何しに来た」
「そない怒らんといて……
 昨日…土方はんが落とさはったもん
 …届けに来たんやさかい」


そう言うとおずおずと差し出した


「根付けか…」
「昨日ちゃんと呼んだんやけど…
 気ぃつかへんし…」
「そうか、悪かったな」


受け取った土方に対して
やり取りを見ていたお玉が口を開いた


「なぁにが悪かったな、どすの?
 そこはおおきにありがとう
 お茶でもどうどすか?ですやろ?」
「はぁ!?」


驚く土方をよそにお玉はにこにこと
Aに笑いかけながら近づく


「ほら、ぼさっとせんとお入りやす。
 すぐに持ってこさせますよって」
「え、あ…」


言うが早いか彼女の手を引いて
屯所に入れてしまった


「お玉さん…!」
「まぁまぁいいじゃないですか!
 ただで帰すなんて失礼ですよ」
「そうだぞトシ。ご厚意には礼を返さねば」
「総司…近藤さん…!んなこと言ったって…
 ここは新選組屯所だぞ…!」
「まぁまぁ土方さん、そう言わずに」


宥めるように言うと
原田はAをみた


「(こんな可愛いお嬢さんに好かれて
 土方さんも動揺してるんだろうな)」


____



「いいか、茶を飲んだら帰れよ」


皆に押されるがままに
茶を用意されたAの隣で
土方は苛立っていた


「そない怒らんでも……」


___

_

四一、女性陣→←三九、姉の願い


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設定タグ:薄桜鬼 , 土方歳三 , 新選組   
作品ジャンル:恋愛
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作者ホームページ:http  作成日時:2020年4月16日 16時

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