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三三、安否 ページ35




「新選組!?」


思わず手が止まってしまった


__土方は無事なのだろうか


「なんや池田屋がそらもう
 血で真っ赤にならはって……
 死人もぎょうさん…」
「……っ!」


Aは一目散に走り出した


「(土方はん……どうか無事でおって…!)」


そう願いながら













__新選組の屯所は
いつも以上に静寂に包まれていた


「土方はんは!?」

不安にかられていたAは
屯所前にいた門番に話しかける


「は、?」
「土方はんは!?どこにおるん!?」
「副長はまだこちらには戻られていない」


もう片方の門番が淡々と返した直後
遠くから足音が聞こえてきた
バッ、と振り返ると
その光景にAは声を失った


「誠」の文字を染め抜いた旗を掲げ
血に汚れた隊服の集団が
こちらに向かってきているのだ


いかに乱戦であったのかを物語っている



と、呆然とするAに土方が気がついた


「A…!」


その声にハッとAは我に返る


「土方はん…!!!」

気がつけばAは一目散に駆け寄っていた


その顔は今なも泣きそうで
土方は目の前の光景に目を見張っている


「土方はんっ!!!」
「っ!」


面前でAは土方に抱きついた


「A!おま…っ…何のつもりだ!」


動揺する土方に対して
Aは頑なに離れようとしない


「良かった…生きてる……
 土方はん生きてる……!!!」



後に池田屋事件として知られることとなる
この戦いは
新選組の名を世に知らしめるきっかけとなった



数日後__



お玉は新選組の屯所に向かっていた
その手にはいつもと変わらぬ
髪結いの一式をいれた木箱が抱えられている


と、曲がり角に差し掛かったときだった


「これは…」


お玉は妖艶な微笑みを浮かべると挨拶を交わす


「どなたかと思えば、お久しぶりですわ。
 不知火」


そこにはくせのある黒い髪に
上半身の筋肉が見てわかるほどの薄着
そして露になっている
二の腕には龍の刺青といった
奇抜な姿をした男が立っていた


「よぉ“千葛”相変わらず美人だな」
「お上手ですこと」
「ははっ。俺は本気だぜ?
 そういや、風間を振ったんだってな。
 良いのか?西国一の鬼の大将だぜ」
「地位が欲しいわけではありませんので」


お玉はくすりと笑うと通りすぎようとする


「じゃあ俺なんてどうだ?」
「ご冗談を」
「そうだな」


刹那、お玉の後頭部に不知火が銃口を向けた



____


_

三四、動きだすもの→←三二、池田屋事件


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設定タグ:薄桜鬼 , 土方歳三 , 新選組   
作品ジャンル:恋愛
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作者ホームページ:http  作成日時:2020年4月16日 16時

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