十六、初霜の鬼 ページ18
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その言葉に組長らはざわつき始める
「そりゃどういうことだ」
「女が新選組なんて聞いたことないぜ」
声をあげる二人を土方が一睨みした
すると彼らはすぐに黙りこんだ
「確かに新選組は女人禁制だ。
だからこそ彼女は必要な人材なんだ」
「なるほど、それを逆手にとって
標的に近づきやすい存在、ってことですね」
「うむ。まさか新選組に情報を流しているとも
思われにくいしな」
近藤の言葉に最初に口を開いたのは原田だった
「良いんじゃねぇか?
こんな美人なら目の保養にもなるしな」
「そりゃ…そうだけどよぉ…」
「でも新選組屯所に
そうそう来れるわけじゃねぇし…
一人危ないってことだぜ?」
その言葉にお玉はクスクスと笑い始める
「そない心配してくれはっておおきに。
せやけど皆はんが心配しはるようなことは
あらしまへん」
「じゃあ刀を相手にしても大丈夫ってわけ?」
「へぇ。心得ておりますさかい」
そういうとお玉は沖田を見た
「ふぅん。度胸あるんだね」
「そういうわけだ、皆、よろしく頼む」
__その夜、お玉は家路に向かっていた
「まさかお前が人間に関わる日がくるとはな」
その声にお玉は足を止める
「別に構わないでしょう?兄様」
彼女の背後には
白髪に碧の瞳を持った長髪の男が立っていた
「初霜の長としていうが人間は危険だ。
ましてや女鬼のお前が
わざわざ新選組などに関わらずとも
情勢は髪結いで聞けるだろ」
違うか?と男はお玉をみる
「別に人間の情勢など
特段興味はありませんわ。
ですが身を置かせてくれた千姫が
情勢をお気になさるのです」
「ああ。
千姫は帝に
お前は町方に
お菊は廓で情勢を聞いている
というのは本当だったのか」
「そもそもお兄様とて
不知火と共に
長州に手を貸しているではありませんか」
「俺は初霜の頭領としても
情勢は仕入れなければならないからな。
まぁ、不知火の里に
身をおかせてもらう以上
匡についてくるのは当然だ」
男がそういうと
お玉は私は他にもございます、と返した
「千枝を預かってもらった以上……
風間は腐っても恩人ですが
あの人が妹を戦に巻き込まぬよう
目を光らせねばならぬでしょう?」
「腐ってもとは言ってくれるものだな、」
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作者ホームページ:http 作成日時:2020年4月16日 16時