二章 十二、原田の勘 ページ14
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奇縁
思いもかけない不思議な縁のことを
人は奇縁とよんだ
もしあの日、あなたに出会わなかったら
もしあなたがここに来ていなかったら
私達はどんな運命にあったのだろう
それともこれは神様が仕組んだ悪戯で
私達は出会うべき存在だったのかな
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新選組屯所では
土方が悶々とした顔で庭を眺めていた
「なぁ平助、土方さんどうしたんだよ」
平助、と呼ばれた男は
本名を藤堂平助といい
八番組組長をしている
「知らねぇよ!
気になるなら聞きに行けばいいじゃんよ
しんぱっつぁん」
同じくしんぱっつぁん、と呼ばれた男は
新選組二番組組長を務める永倉新八のことだ
彼らは土方の不審な動きに
こそこそと噂をしていた
「はぁ?聞きに行くだけだろ平助」
「や、何で俺が聞きに行く前提なんだよ!」
「なんだなんだ?朝から喧嘩か?」
と、そこに現れたのは長身の男である
「さの!良いところに!!」
「あー!さのさん
しんぱっつぁん何とかしてくれよ」
現れたのは十番組組長を務める原田左之助だ
「あぁ?土方さんの様子がおかしい?」
「そうなんだよ。
朝からずっと眉間にしわ寄せて
ああやって外眺めてんだよ」
「いつもの事だろ」
「それがいつもよりため息が多いんだって」
そんな話をしていたときだった
「どうしたトシ、険しい顔して」
たまたま通りかかった近藤が土方に声をかける
「……いや…なんでもねぇ」
「何でもないわけないだろう
そんな顔をしていて。
何か悩みでもあるのか?」
「あんたには関係ねぇよ
それより近藤さん__」
二人のやり取りを見ていた先程の三人は
察した顔を浮かべる
「ありゃなんかあるぜ?」
「だよな
ありゃ絶対なんかあったよな!?」
「だな」
原田は遠くの土方を見ながら静かに呟く
「案外、女の話かもな__」
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その日
『長崎』は何やら騒がしかった
「なんやろ…」
不安そうな顔を浮かべながら
Aは店に出る
と、Aは視界に入ったものに
すっとんきょうな声をあげた
「ああっ!!!」
そこには土方が一人で来ている
「……借りっぱなしもよくねぇしな」
そう言いながら渡してきたのは
二枚の手拭いだった
「返さんでええ、言いましたやろ…!?」
「それはそれでお
前が何も言ってこねぇわけねぇだろ…!」
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作者ホームページ:http 作成日時:2020年4月16日 16時