検索窓
今日:7 hit、昨日:33 hit、合計:52,722 hit

二章 十二、原田の勘 ページ14








奇縁







思いもかけない不思議な縁のことを
人は奇縁とよんだ







もしあの日、あなたに出会わなかったら







もしあなたがここに来ていなかったら









私達はどんな運命にあったのだろう









それともこれは神様が仕組んだ悪戯で








私達は出会うべき存在だったのかな









____



_





新選組屯所では
土方が悶々とした顔で庭を眺めていた


「なぁ平助、土方さんどうしたんだよ」


平助、と呼ばれた男は
本名を藤堂平助といい
八番組組長をしている


「知らねぇよ!
 気になるなら聞きに行けばいいじゃんよ
 しんぱっつぁん」

同じくしんぱっつぁん、と呼ばれた男は
新選組二番組組長を務める永倉新八のことだ


彼らは土方の不審な動きに
こそこそと噂をしていた


「はぁ?聞きに行くだけだろ平助」
「や、何で俺が聞きに行く前提なんだよ!」
「なんだなんだ?朝から喧嘩か?」


と、そこに現れたのは長身の男である


「さの!良いところに!!」
「あー!さのさん
 しんぱっつぁん何とかしてくれよ」


現れたのは十番組組長を務める原田左之助だ


「あぁ?土方さんの様子がおかしい?」
「そうなんだよ。
 朝からずっと眉間にしわ寄せて
 ああやって外眺めてんだよ」
「いつもの事だろ」
「それがいつもよりため息が多いんだって」


そんな話をしていたときだった


「どうしたトシ、険しい顔して」


たまたま通りかかった近藤が土方に声をかける


「……いや…なんでもねぇ」
「何でもないわけないだろう
 そんな顔をしていて。
 何か悩みでもあるのか?」
「あんたには関係ねぇよ
 それより近藤さん__」


二人のやり取りを見ていた先程の三人は
察した顔を浮かべる


「ありゃなんかあるぜ?」
「だよな
 ありゃ絶対なんかあったよな!?」
「だな」


原田は遠くの土方を見ながら静かに呟く


「案外、女の話かもな__」



___



その日
『長崎』は何やら騒がしかった


「なんやろ…」


不安そうな顔を浮かべながら
Aは店に出る


と、Aは視界に入ったものに
すっとんきょうな声をあげた


「ああっ!!!」


そこには土方が一人で来ている


「……借りっぱなしもよくねぇしな」


そう言いながら渡してきたのは
二枚の手拭いだった


「返さんでええ、言いましたやろ…!?」
「それはそれでお
 前が何も言ってこねぇわけねぇだろ…!」


___


_

十三、鬼の心→←十一、何度目の再会


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした!


目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
85人がお気に入り
設定タグ:薄桜鬼 , 土方歳三 , 新選組   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者ホームページ:http  作成日時:2020年4月16日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。