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常に抜け目のないように見えていたこの女の寝顔など初めて拝んだのだ。
多少見ることぐらいバチは当たらないとは思うが、そもそも女の寝姿をジロジロ不躾に見るのはいけないことではないだろうか。
そわそわと落ち着かない様子で、鯉登は布団のそばで胡座をかいたまま、天井に、そして机の上の湯呑みに忙しなく視線をやった。
しかし結局戻ってくる視線の先は微かに口を開けて寝こけている目の前の女。
「黙っていればそれなりに…、だな」
Aのこうも無防備な姿は、自分以外に見たことがあるのだろうか。
たとえば将来伴侶となる者が現れたとしたら、その男はきっと毎日のようにこの姿を目にできるだろう。
木漏れ日の中、豪奢な寝台に寄り添って眠る己と香坂Aの姿が浮かび、次の瞬間「キッッッ…！！！」と溢れ出る猿叫を両手で抑えながら鯉登は畳に倒れた。
自分は今何を妄想した？
こんなことがもし本人に知られでもしたら終わってしまう。
己のプライドが。
気色の悪い妄想と無意識下の欲を掻き消すため鯉登は立ち上がると、襖を開けて座敷を後にした。
「オイ、そこの」
「へい、どうしました軍人さん」
「私の所の座敷を延長しろ 揚代はいくらだ？」
若衆に声をかけると、鯉登はポケットから財布を取り出す。
若衆はその身なりから良客だと判断したのか、「どうも！」とペコペコ頭を下げる。
「気に入りましたかい？あの娘 最近入ったもんで礼儀はなってないが、気立てはなかなか良いでしょう」
「…そうだな、気に入った だから私が帰った後もあの娘に無体な仕打ちは一切するなよ」
「はは、分かってますよ！毎度あり！」
Aの任務がいつ終わるか分からない。
それでも今日ぐらいは、一晩貸し切ってあの女の眠りを妨げることがないようにしようと鯉登は決めた。
女であるという武器を最大限利用させる鶴見中尉、やはり彼は頭の切れる尊敬すべき御仁である。
ただ何せあの女には向かない任務だろう、と鯉登は苦虫を噛み潰したような表情で、きっとまだ間抜け面でスヤスヤと眠っているであろう女の座敷へ戻った。
燻る得体の知れない欲には気がつかないフリをして。
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こちら豆腐プリン様リクエストありがとうございました。
どうやら私は鯉登だと少女漫画っぽいのが好きみたいです笑
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久遠(プロフ) - 宇佐美の狂ってる感じが最高でした！ありがとうございます😊 (4月7日 21時) (
レス) @page43 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐プリン(プロフ) - 鯉登の現代ver.と明治ver.両方見てみたいです！よろしくお願いします！ (4月7日 10時) (レス) id: b06481f634 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - リクエストなんですが、宇佐美との話欲しいです🙇🏻♀️現代でも明治でも良いです！ (3月24日 22時) (レス) @page37 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐プリン(プロフ) - めちゃくちゃいい話で感動しました〜😭ありがとうございます！ (3月18日 0時) (レス) @page31 id: b06481f634 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐プリン(プロフ) - やばい！鶴見中尉との関係めっちゃ好きすぎて叫びそうです！笑 リクエストなんですがもし夢主だけ生存して鯉登オチだったらっていうと軍に入っていない少し幼い夢主と鶴見との絡みが見てみたいと思ったのですが出来ますでしょうか??お願いします！ (3月13日 23時) (レス) id: b06481f634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2024年2月25日 23時
