宇佐美という男 ページ41
「げッ」
「人の顔見るなり失礼な奴だなコンニャロッ」
履修している講義が始まる数分前、教室の前でばったり遭遇したのは宇佐美時重。
思わず漏れた声に機嫌を悪くした宇佐美は、距離を取ろうとするAを一瞬で捕まえるとチョークスリーパーの構えに入った。
「イダダダダダッ！！ごめんなさいごめんなさい！」
「次ナマ言ったら手加減なしで絞め落とすぞ」
なんとか解放されて首から背筋にかけての筋を涙目でさすっていると、宇佐美の背後にいた女たちがひょっこりと顔を出す。
ヘソ出しルック女にピアス大量女、どれもAとは住む世界の違う外見の女たちだ。
「何してんのウサミン」
「さっさとピ逃げしてメシ行こメシ〜」
なるほど、刈り込んだ短髪と筋肉隆々の宇佐美は、随分とイケイケなグループと連んでいるようだ。
お似合いである。
宇佐美は「う〜ん」としばらく悩んだ後、彼女らを振り返らずに言った。
「僕はいいや コイツと授業同じみたいだし、せっかくだから一緒に受けてくるから」
「え？マジで言ってんの？」
「誰だしその子」
「あ、コレ？僕の
「「は！？」」
途端に女たちの視線が一斉にこちらを向く。
なんだなんだ、とAは唇の端を引き攣らせた。
「嘘っぽ！」
「タイプじゃないでしょ！こんな地味そうな子」
「嘘っぽ、じゃなくて嘘だから 誤解はやめてください」
スパッと切ったAが意外だったのか、女たちは目を丸くする。
大学生になっても大して着飾る方ではなかったが、度胸だけは人一倍ある。
ヘソが出てようが耳が穴だらけだろうが、明治時代を生き抜いたAにとっては何ら臆する対象ではなかった。
「なんだよ、つまんないの」
宇佐美は大した頓着は無いようで、Aの腕を掴むとズンズンと教室の中へ入って行った。
呆気に取られたような表情の女たちを放置して、空いている席を探す。
一般的に人気と思われる一番後ろの窓際にはすでに男女複数のグループが屯していたが、宇佐美が「譲って」と一声かけるとそそくさといなくなった。
「…宇佐美、ここでもなんか恐れられてない？」
「知らな〜い 入学してすぐの時に喫煙所占領してた三年ボコったからかな？」
「大学で不良漫画みたいなことするな」
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久遠(プロフ) - 宇佐美の狂ってる感じが最高でした！ありがとうございます😊 (4月7日 21時) (
レス) @page43 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐プリン(プロフ) - 鯉登の現代ver.と明治ver.両方見てみたいです！よろしくお願いします！ (4月7日 10時) (レス) id: b06481f634 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - リクエストなんですが、宇佐美との話欲しいです🙇🏻♀️現代でも明治でも良いです！ (3月24日 22時) (レス) @page37 id: d025dfcb18 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐プリン(プロフ) - めちゃくちゃいい話で感動しました〜😭ありがとうございます！ (3月18日 0時) (レス) @page31 id: b06481f634 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐プリン(プロフ) - やばい！鶴見中尉との関係めっちゃ好きすぎて叫びそうです！笑 リクエストなんですがもし夢主だけ生存して鯉登オチだったらっていうと軍に入っていない少し幼い夢主と鶴見との絡みが見てみたいと思ったのですが出来ますでしょうか??お願いします！ (3月13日 23時) (レス) id: b06481f634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽなふ | 作成日時：2024年2月25日 23時
