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貴
そう言えば、テレビで子供が薬を飲まない時に行う対処法的なのでアイスに混ぜるってやつあったよね?混ぜて大丈夫なのか疑問に思ったけどテレビであってるくらいだから大丈夫か。
そして私は冷蔵庫にチョコアイスがあったのを思い出し取りに行くことにした。やっぱり熱が下がっていないのか、さっきから視界がぐるぐる回っている。だけどこの症状を抑えるためにも薬をのまないといけないからどうにか壁を頼って歩いている。
無駄に広い家の中をなんとか歩いて冷蔵庫にたどり着いた。
『あった』
冷凍庫にはやっぱりチョコアイス。額に当ててみるとヒンヤリとして熱が吸い込まれる。
スプーンも取って部屋に戻ろうと1歩足を出した時
ぐらっ
急にそんな効果音がつきそうなくらい視界が反転した。それが、無理をしすぎてなってしまったことに理解するのに時間はかからなかった。
持っていたアイスとスプーンは力なく私の手から床に落ちた。それと共に私の体も地面に吸い付けられるように傾いていく。
どうしようもなく無力にその力に抵抗しないまま襲ってくる痛みだけを我慢して目をつぶったけれど一向に痛みは来ない。不思議に思っていると
「大丈夫か」
義勇お兄ちゃんが私の体を支えてくれていた。
『義勇お兄ちゃん…』
するとドタドタと言う音と共に錆兎お兄ちゃんが走ってきた
「おい!すごい音がしたが大丈夫か!」
うぅ、うるさい。
私がそんなことを思っていると義勇お兄ちゃんは右腕で私の体を支え左手で私の額に手を当てた。
「まだ熱い。寝てないとだめだろう」
『薬飲むためだからしょうがないでしょ』
私がそう言うと2人ともはぁ、とため息をついた。ぶすくれていると私の体は宙に浮いていて。義勇お兄ちゃんに姫抱きにされていた。
そしてそのまま自分の部屋まで運んでベットに寝かせてくれた義勇お兄ちゃん。照れくさかった。
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作者名:かにパン | 作者ホームページ:http://aisarekimetsu
作成日時:2021年9月24日 21時