【名探偵コナン】私はひとりじゃ生きられない。2nd【松田陣平】

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“その頼みは聞けない”





はっきりと告げられたその言葉を聞いた瞬間、河合さんは目に涙を浮かべた







「なんで…？酷い、お友達なのに……」





『お友達、か…』





私もさっきまではそう思ってたよ



でもさ、よく考えてみて






『出会ってたった1日の“お友達”にさ、そんな頼みしてくる方が酷いんじゃないの』





「は……」





昨日出会ったばかりのお友達





まだお互いのことをよく知り合えていない





そんな中で「松田くんが好きだから協力してほしい」だなんて、バカにも程がある






私を利用してやろうって言う魂胆が見え見えだ





大方、陣平を見ていた時に私の存在を知って仲良くなって利用してやろうとでも考えたんだろう




そんな人間に手を差し伸べられるほど、私は出来た人間じゃないしチョロくもない





ましてや陣平が関係しているなら、尚更利用されてやる義理なんてない





冷たい人間だと思われても仕方がない





こんなんだから学生時代、話せる人間は大量に居たのに、“友人”と呼べる人間が全くいなかったのだとつくづく思う







『私は別に、河合さんだから断ったとか、出会って1日だからだとか、そんな事で受けられないんじゃないよ』






「じゃあなんで…」






『私は一度だって陣平を好きだった女の子達の協力なんてしてあげた事はない



そして、これからもそれは有り得ない』






自分の恋愛のレールぐらい、自分でちゃんと敷いてほしいものだ






“協力してほしい”だとか、“好きになるよう私の良い所を言ってほしい”だとか





巫山戯んなと声を大にして言いたいが、女の子に手を出したらそれこそ終了なので『ごめん無理』と清々しいくらいの笑顔でいつも切り捨ててやった





だから今回も勿論お断り





まぁ、「松田くんに好きだって伝えて？」とか「この手紙、渡しておいて？」とかじゃなくて良かった






他人の好意を片割れに伝えろだなんて、私は伝書鳩だろうか





頭の中では八つ裂きにしてやった









「……………ない、」




『え？』






先程から下を向いているせいで視線が合わない河合さんが、小さな声で何かを呟いた





あまりにも小さすぎて聞き取れなかったため、聞き返す







「意味分かんない！！！！！！！」







バッと勢い良く顔を上げた河合さん





目に涙を溜めながらも、大きな瞳を見開いて私を怖い顔で睨みつけていた

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