【鬼滅の刃】引きこもりニートしようとしたら鬼殺の剣士がいらっしゃったようで……？2【逆ハー】

番外編:胡蝶しのぶ生誕記念:胡蝶side ページ18

祝日の今日、私たちにはこれと言って予定がなかった。なんとなしに居間にあつまり、のほほんとする。Aさんはまだ部屋にいるんだろう、なんて考えていたらダダダダっ！と走る階段から降りてくる音が響いて、コタツでお茶を飲んでいた私たちは、顔を見合わせてキョトンとした。

ばん！

すごい勢いで扉を開けたAさんの手には、いつものスマホが握られている。目をこれでもかと言うくらい開いてずんずんとこちらに歩み寄ってくる彼女からは、いつに無い気迫のようなものを感じた。思わず仰け反るほどには。


「あのー…Aさん？」
「しのぶちゃん教えて！しのぶちゃんの誕生日、いつ！？」
「………はい？」
「もちろん不死川さんとむいくんにも聞くけど！つまり、3人の誕生日教えて！」


ダンっとコタツに両手を着いたAさんの必死さ加減に、私だけじゃなく時透くんも不死川さんも驚く。目を見合わせて、彼女の方を向いた。たぶん、困惑の表情になっているだろうなと予想しつつ。


「俺ァ…11月29日だが」
「8月8日だよ」
「しのぶちゃんは！？」
「………えーと、それが……言いにくいのですが、今日です。2月24日」


それを聞いた瞬間、Aさんは、ガッデム！！と頭を抱えて天井を見上げた。……いったい、何があるというのだろうか。


「よし決めた、しのぶちゃん。デートしよう」
「……はい？」
「2人でお出かけ！そうと決まれば支度しなきゃ！あ、かわいい服えらんでね！いつものズボンとかじゃなくて、ワンピースとかフレアスカートとかあったでしょ！」
「え、あ、あの……」
「不死川さんたちはお留守番お願いします！さぁさぁ、早く2階へ！」
「あ、はい」


勢いに負けて、背中を押されつつも居間を後にして。お借りしている部屋で、タンスの中身を確認して。


こんな可愛らしいもの、着れませんよ……。


慣れない衣服に戸惑いながら、私はまだ？と急かすAさんの声に答えてしばらく悩み続けた。


(というか)
(なぜいきなり、お出かけなんでしょうねぇ)

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