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scene65 ページ15




イベントが終わり会場の外に出ると、火照った体を夜風が冷ましていく。


「たっのしかったねー!」


明日人が大きく伸びをした。


「トロッコすっげえ近かったし! 絶対おれらに気付いてたよね、目合ったもん!」


興奮冷めやらぬといった様子の明日人にやや呆れながら「気のせいじゃねえの」と言うと、明日人は「えー! 絶対こっち見たって」とむくれる。


「タツヤ、先帰ってろ」


おれがそう言うと、タツヤは何かを察したようににやける。


「はいはい、どうぞごゆっくり」

「なっ、お前なあ……」

「早く行きなよ、女の子待たせちゃだめだよ」


何か言い返したかったが、おれは髪をかき混ぜると、みんなとは逆方向に歩き出した。


「あれ、ヒロトさん、どこ行くんですか?」

「まあまあ、放っておいてやろうぜ」


そんな一星や風丸さんの声が聞こえてきた。





裏口の前でしばらく待っていると、Aが出てきた。

イベントの後に会えないかと言って、二人で帰る約束をしていたのだ。


「ヒロト、待たせてごめんね」

「いーよ、イベントお疲れ」


「ありがとう」と言って笑うAを見て、やっぱりこっちの方がしっくりくるな、と思った。





二人で並んで街灯の少ない静かな道を歩く。


「あ、見てヒロト」


Aが上の方を指さした。


「ヒロトがくれたのと同じだよ」


見上げると、三日月が光っていた。Aは嬉しそうに笑う。





「あ……、あのさ」


おれが不意に立ち止まると、 Aもつられて立ち止まった。


「ヒロト……?」


Aが不思議そうな顔をする。


もう喉まで言葉が出かかっていた。でも、本当に言ってしまっていいのだろうかという迷いが振り切れずにいた。


言葉に詰まっていると、Aの短い影が重なった。


「あのね、ヒロト」


Aがおれの手をとる。


「私、ヒロトのことが好きだよ」

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- 福岡、京都、沖縄...陽花戸中、漫遊寺中、大海原中ですね。立向居や木暮、綱海がいるか確かめにでも行ったのでしょうか...。でも、夢主ちゃんの世界にヒロトは存在していない、と聞いたとき、ヒロト本人はどう思うのでしょうか...続きがすごく気になります! (2019年2月17日 17時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
- 無印時代からアレス時代に来るとき、雷門中から飛び降りたことで夢主ちゃんがこの時代に来れたとか...?色々想像できて楽しいです!頑張ってください! (2019年2月15日 13時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
- 初コメ失礼します!!もしかして夢主ちゃんは無印時代から来た子ですか!?アツヤ見て泣いたのも、ヒロトを見てビックリしたのもつじつまが合いますし...。(アツヤが生きてて嬉し涙、ヒロトがタツヤと全然似てなくて驚き)いつも応援しています!! (2019年2月12日 3時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - すごく場面場面が入ってきてとっても読みやすいです!続き楽しみにしています♪ (2019年2月11日 22時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
はずにゃん☆ - こんな感じの小説待ってましたー♪投稿頑張て下さい。 楽しみにしています! (2019年2月9日 14時) (レス) id: f86bddf786 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2019年2月8日 17時

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