二人の世界 エリナ ♂ ページ9
他の木よりも少しだけ大きな木の陰からこっそりと。
その視線の先に居るのは青がかった黒髪の少年と遊ぶブロンドの美しい髪を持つ少女。
Aはほうと堪らず溜息を吐いた。黒髪の少年、ジョジョに対する羨ましさと、ブロンドの髪の少女、エリナの余りの美しさからのもの。
こんなにも近くに居るのに、一緒に遊んでもいいかいの一言も言えない自分の情けなさ。三つの意味を持った溜息は今日も誰かに気付いて貰う事は無かった。
だが、これはこれで良いのかもしれない。これでもし誰かがどうかしたのかと声を掛けてくれたとしたら、情けない自分はその誰かに甘えてしまうだろう。情けないAは勇気が出るまでずっとあの二人の背を見てるだけで良い。
「そこで一体何をしているんだい？」
「ディ、ディオ…奇遇だね、こんな所で」
暫くぼうと二人の遊ぶ姿を見ていた。すると、いつの間にかAの隣にはディオとその取り巻きが居た。正直、Aはディオとその取り巻きの事が少しだけ苦手だった。何か嫌な事を常に考えていて、そしてそれが確実に成功できるなんていったきっぱりとした自信のある笑み。あの笑みがとにかく苦手だった。
「エリナとジョジョじゃあないか。声でも掛けてみたらどうだい？」
「僕には無理だよ。とてもじゃないけどそんな勇気は無いから…」
えへへ、と眉を下げて笑う。ディオはそれを見て、ふうんと興味を失った様な素振りを見せる。
だが、その取り巻き達はそれがどうにも気に食わないらしい。何やらディオに耳打ちをし始めた。
嗚呼、この後僕はとんでもない事をディオに言われてしまうのだろう。なんて予感が頭の中を遮った。いつだってAの嫌な予感は的中をして来たのだから、きっと今回だって的中してしまう。
「じゃあ、ぼくと一緒に混ざろうって言おうじゃあないか」
取り巻きの耳打ちが終わると、ディオはAへそんな提案をした。勿論、そんな提案をあのディオがしてくるだなんて思ってもいなかったものだから、Aはえッと裏返った声を漏らしてしまった。
ディオはすぐにでも返事を欲しがっている。Aは無意識のうちにそれを察知すると、ぶんぶんと首を横に振った。
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左目から鯖味噌(プロフ) - まろんさん» 初めまして。お返事が遅くなって申し訳ございません。億泰ですね、分かりました。かなりのお時間を取らせる事になってしまいますが一生懸命書かせて頂きますね。今回はリクエストをして頂き有難う御座います。 (2017年9月17日 18時) (
レス) id: e982473bb6 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - はじめまして！リクエスト良いですか。億泰の短編を見て見たいです。億泰の小説が少ないで (2017年8月20日 18時) (レス) id: 0981dc5437 (このIDを非表示/違反報告)
左目から鯖味噌(プロフ) - 傾国萌えのセネンさん» リクエスト有難う御座います。本当にのろのろと更新をしていますがそれでも確実にお答えしていきたいと思います。いつもお読みいただきありがとうございます。 (2017年8月17日 20時) (レス) id: e982473bb6 (このIDを非表示/違反報告)
傾国萌えのセネン - 第四部の音石明と第五部のリゾット・ネエロでボスのもう一人の娘の夢主をお願いできますか? (2017年8月4日 23時) (レス) id: 8368aa4f80 (このIDを非表示/違反報告)
傾国萌えのセネン - 左目から鯖味噌さん» ありがとうございます、楽しみに待ってます。 (2017年6月3日 14時) (レス) id: 8368aa4f80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：左目から鯖味噌 | 作成日時：2017年3月7日 13時
