☆夜の道 ティッツァーノ ♀ ページ13
イタリアは昼もそうだが、夜も大層賑やかな国である。だが、それでも明るい光の先には暗い影があるのと同じ様に、活気が死んでいる、酷く静かな夜の道がある。
「一体何処まで着いて来る気なんだあのストーカー男」
独りで夜の道を利用する羽目になってしまった護衛チームの一人、Aはぼそりとそんな事を言うと舌打ちをする。
こんな事ならミスタにでも着いて来て貰うべきだった。そんな事を思っていたがその考えはすぐに打ち消された。何を思ったところで後の祭りだからだ。
つい先程まで行動を共にしていた金髪の新入りは暗く入り組んだ道に迷ってしまったのか隣にも後ろにも居ない。それでも、何分あの新入りは頭が良く機転が利くから大丈夫だろうとあやふやな信頼があったせいか不思議と心配という感情は湧き出てこない。
元はと言えば、あの桃色髪の少女が事の原因なのに。思わず口にしたくなってしまったその言葉に、Aは慌てて蓋をした。Aの口から代わりに出たのは走っているせいかやけに荒い呼吸音のみである。
この組織では正しい判断をしたのであろう一人は置いておくとして、護衛チームはトリッシュに対して不安がらせる様な言葉は慎む事を口にしない事を暗黙の了解としていたからだ。
悪戯に彼女を不安がらせた所で此方に利益など何一つない。
今はただ、徐々に距離を詰めながらAの後を追う男を上手い事この道で撒いて逃げる他無いだろう。
ただ食料の買出しをしていたというだけでこの様な面倒事を背負う羽目になってしまうとは。Aは苦笑した。
「クソ、ティッツァーノ。私が一般人だったら即通報していたんだから…！」
呼吸を整える為に立ち止まり、再度舌打ち。先程の舌打ちよりも良く響いてしまった。普通なら暗い道に溶けて消えてしまうような音なのに何故今日に限ってやたらと響いてしまうのか。
早く逃げなくては。立ち止まった足を進めようと一歩を踏み出したその時、Aの腕を何者かが掴んだ。
「随分と休憩が長い様で。簡単に追いつきましたよ」
Aの腕を掴んだのは追っ手、ティッツァーノ。街の照明のせいで輝きを損なっている星をバックにティッツァーノは薄笑いを浮かべながらAを引き寄せた。
☆夜の道 ティッツァーノ ♀→←☆シュレッダーに イルーゾォ ♀
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左目から鯖味噌(プロフ) - まろんさん» 初めまして。お返事が遅くなって申し訳ございません。億泰ですね、分かりました。かなりのお時間を取らせる事になってしまいますが一生懸命書かせて頂きますね。今回はリクエストをして頂き有難う御座います。 (2017年9月17日 18時) (
レス) id: e982473bb6 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - はじめまして！リクエスト良いですか。億泰の短編を見て見たいです。億泰の小説が少ないで (2017年8月20日 18時) (レス) id: 0981dc5437 (このIDを非表示/違反報告)
左目から鯖味噌(プロフ) - 傾国萌えのセネンさん» リクエスト有難う御座います。本当にのろのろと更新をしていますがそれでも確実にお答えしていきたいと思います。いつもお読みいただきありがとうございます。 (2017年8月17日 20時) (レス) id: e982473bb6 (このIDを非表示/違反報告)
傾国萌えのセネン - 第四部の音石明と第五部のリゾット・ネエロでボスのもう一人の娘の夢主をお願いできますか? (2017年8月4日 23時) (レス) id: 8368aa4f80 (このIDを非表示/違反報告)
傾国萌えのセネン - 左目から鯖味噌さん» ありがとうございます、楽しみに待ってます。 (2017年6月3日 14時) (レス) id: 8368aa4f80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：左目から鯖味噌 | 作成日時：2017年3月7日 13時
