子供31 ページ31
「辰馬さん!?」
仕事中だろうが何だろうが構わない。
私は直ぐに坂本辰馬に連絡をした。
「おぉ、A〜」
「あの薬!嫌いになるものは一つじゃないんですか!!??」
「あの薬ぃ?」
「そうです!!ほら、間違えて送った!嫌いになりたいものを思い浮かべればその物が嫌いになるってあれ!!」
慌てて話すと、気が抜けた返事が返ってきた。
「あぁ思い出したぁ!大事なこと教えちゃる」
「遅い!!渡した日に教えてください!!」
話を聞いて、何となく薬のことが分かった。
あれは嫌いになる、というのは間違っていないらしいのだが
思い浮かべたもの、では無く、とても好きだったものが嫌いになるという。
え、じゃあ土方さんは男が大好きだったの。
「気にせんでええやきね。そのうち効果も薄れるぜよ」
放っておけばそのうち治ると言い出す辰馬さん。
本当に信用してもいいのだろうか。
今はその効果が早くきれることを願うしかない、か…。
電話を終え、とぼとぼと屯所を歩く。
すると、土方さんの部屋から何か大きな音がした。
ビックリし、急いで部屋に向かう。
「ど、どうしました!?」
勢いよく開けると、そこには山崎さんと副長の姿が。
床には散乱した書類。
そしてビチャビチャになった畳、落ちた饅頭。
山崎さんはお盆で頭を守って縮こまっていた。
「何してるんですか」
呆れて床に散らばった書類を拾うと、山崎さんが半泣きで私の足に抱きついた。
「きゅ、急に副長が俺を見て刀振り回してきたんです!!俺何もしてないのに!!」
いつもの事じゃないのかそれ、と内心思いながら山崎さんに薬の事を説明する。
すると、刀を片手にふーふーと息を荒立て目を血走らせた土方さんが、声を荒らげた。
「こいつ!!!男なのに俺の部屋に入りやがった!!殺す!いますぐ殺す!!」
「理不尽!!!!」
半泣きと言うより号泣だ。
なぜか私が山崎さんに謝りながら、出て行ってもらった。
落ち着きを取り戻した土方さんが煙草を吸う。
「全く…A、てめぇにも落ち度あるからな。簡単に男をこの部屋に入れるな。入っていいのはお前だけだ、いいな」
鋭い目でそう言われ、「は、はい」と固まるしかなかった。
はぁ…これからどうなっちゃうんだろう、真選組は。
銀ちゃんにも当分会えないだろうし。
あんな薬、試すんじゃなかった。
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お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます!!心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です!ありがとうございました!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは! 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます!続き頑張って書きあげますね!! (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました!めっちゃ面白いです!!続きが早く見たいです! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます!ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2019年4月9日 2時