子供３２ ページ32
〜総悟side〜
「ったく、誰だったんだあの女」
万事屋へ強制的に連行する途中、パトカーの中で旦那がそんな事を言った。
あの女、とはAさんの事だろう。
「全く覚えてないんですかィ」
「あ？んだその言い方。それじゃ俺が、前はあの女を知ってたみてぇじゃねぇか」
知ってるどころか、永遠の愛を誓い合った仲というか。
ま、俺にとっちゃ良いことなんだけどねィ。
ざまぁねえぜ万事屋の旦那ァ。
Aさんは俺が貰う。
「全力で嫌いになってくだせェ。その方がこっちは好都合なんで」
「は？嫌いにならなくても全力で嫌いだっつーの！てかなんでお前が好都合なんだよ」
「そりゃあ、あんたの嫁が好きだからに決まってまさァ」
「だぁかぁらぁ！俺の嫁はケツノアナだっつの！！あんな女結婚した覚えねぇわ！！」
これ、Aさんが聞いたら傷つくんだろうねィ…。
無慈悲な俺でもさすがに気の毒でさァ、姉さん。
ハンドルを切り、万事屋に着く。
我が家は分かるらしく、自ら出ていき階段を上った。
俺もあとを追うようにダラダラと階段を上ると、旦那はサッサと玄関の引き戸を開けた。
「パっつぁ〜ん、総一郎くんあがらせるぞ」
ブーツを脱ぎ散らかし、入室。
俺も靴を脱ぎ、客間へ足を進めた。
メガネがギョッとした顔で俺を見る。
「お、沖田さん…。さっきAさんから電話があったんですけど…」
「あぁ、姉さんから連絡ありやしたか。じゃ説明しなくてもいいな」
ドスッとソファに座り、足を机に乗っける。
旦那は社長椅子に腰を掛ける。
「本当にAさんのこと、忘れちゃったんですか」
俺のそばに来て耳打ちしてきたメガネ。
目を伏せ頷くと、みるみる顔を青ざめる。
「そ、そんな…」
「しかしまぁ、生活感溢れる家ですねィ。特にあそこに畳んであるエプロンとか」
あれは、姉さんがまだ女中だった頃に着用していたエプロンだ。
「あ、それ姉さんの髪飾りじゃねぇですかィ。あっちのスリッパもそうなんですかィ」
「髪飾りは、忘れてちゃったみたいで。スリッパもAさんのです」
結婚してから、よくこの家に来ていたことが分かる。
…真選組にいる以上、同居は難しいだろう。
土方さんがそうAさんに言ったのを思い出した。
これ見ちまうと、なんとも言えねぇ気持ちになるねィ。
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お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます！！心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です！ありがとうございました！！ (2019年11月8日 23時) (
レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは！ 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます！続き頑張って書きあげますね！！ (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました！めっちゃ面白いです！！続きが早く見たいです！ (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます！ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶
| 作成日時：2019年4月9日 2時
