子供20 ページ20
「行くぞA!!」
銀ちゃんの合図と共に、私達は将軍に向かって滑り出す。
ものすごい勢いで滑る将軍に、なかなか追いつけない。
「しょ、将軍様!!!ブレーキです、足を上手く八の字に…!!!」
追いかけながら叫ぶが、将軍には聞こえていないみたい。
だぁあ、なんでこうなるかなぁ!!??
その時だった。
「あ」
大きな雪の塊に気づかず躓き、私はめちゃめちゃ高く飛ぶ。
「A!!!!!!!」
一緒に追いかけていた銀ちゃんが私に気づき、急いで受け止めようとする。
落ちた私をキャッチした銀ちゃんだったが、もちろんバランスを崩し二人でゴロゴロと転がる。
「「ぎゃぁぁぁあ!!!!!!」」
☕
「ぎ、銀ちゃん…」
「歩け…歩くんだ、A…」
ここ、どこだろう。
抱きしめ合いながら転がっていると、私達は大きな雪玉になった。
白目になりながら下り、大きな岩に衝突。
雪玉は粉砕され、私達は何とか助かったが。
木、木、木。
見渡す限り森林。
全く見覚えのない場所に来てしまい、前も後ろも分からない。
そして、ものすごい吹雪。
とにかく、体を温められて尚且つ人の助けを待てる場所を探す。
「さ、寒いよ、銀ちゃん…」
「お、おい見ろ!!あれ小屋じゃねぇか!!??」
ブルブルと震えていた体。
銀ちゃんの声と共に視線をあげると、ポツリと小屋があった。
急いで駆け寄り、ガンガンと扉を叩く。
「誰かいませんか!!」
だが中から返事はない。
何ここ、避難所…?
分からないがドアノブをひねってみると、鍵はかかっていなかった。
「入っちまおうぜ」
銀ちゃんはそう言うと、お構い無しにズカズカと入って行った。
私も後に続く。
室内はとても充実していた。
お風呂もあれば、暖炉もある。
勝手に薪を組み火を起こす銀ちゃん。
命が惜しい私達は、暖炉の傍に腰を下ろした。
「やべぇ事になったな…」
窓の外を見つめる銀ちゃん。
外はビュービュー唸っている。
皆大丈夫かな…。
「これじゃ電話も繋がらねぇだろ。吹雪が収まるまでここにいるか」
収まるのはいつになるのだろうか。
はぁぁ…せっかくの新婚旅行がこんな事になるなんて。
あ、将軍様大丈夫かな。
先に心配すべき人はその人ではないか。
頭でそんなことを考えていると、ふわっと何か肩にかけられた。
見れば毛布で。
「借りちまおうぜ」
そう銀ちゃんは笑うと、そそくさと私の隣に座り自分も毛布を被った。
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お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます!!心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です!ありがとうございました!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは! 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます!続き頑張って書きあげますね!! (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました!めっちゃ面白いです!!続きが早く見たいです! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます!ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2019年4月9日 2時