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子供24 ページ24

まだ私は、この人のキスに慣れない。


「そろそろ寝るか」


一人で勝手にドキドキしていると、銀ちゃんは大きな欠伸をした。

雰囲気ぶち壊しなその行為に、イラッとする。


「あーあ、キュンとなんてしなきゃよかった」


「あ?え?何どういうこと?」


「なんでもないでーす。どうせ私は全然経験ないですよ」


坂田銀時は、攘夷戦争時代にはオンナ遊びを散々してきた男だ。

晋助兄さんが教える店に行っては、毎日違う匂いをつけて帰ってきていた。

そんな事をしてないとやってらんなかった状況、というのも分かるけど。

さすがにあの時期の銀ちゃんは酷かった。

女は全て抱きしめて突き放すの繰り返し。

遊女達は、その時は優しく、そして妖艶な目を向ける銀ちゃんに恋をする。

けど銀ちゃんは、遊女達を容赦なく切り捨てるのだ。

その分、私は優しくされていたけれど。

優越感なんてものはなかったに等しい。


「いやだからなんだよ!経験ってなんの経験!?」


「んー?銀ちゃんがよく女の人を知ってるって話!!」


「おま!またその話掘り返すのかよ!!」


過去の遊女達に妬いたのはこれで三回目だ。

毎度銀ちゃんは苦笑いではぐらかす。


「私は経験なんて全然…」


と、口に出して、ふと思い出す。

総悟くんや晋助兄さんに好きだとは言われた事がある。

これは経験に入るのだろうか。

銀ちゃん以外の男性と交際したことがないのは、確かにそうだ。

けど、恋愛はしていたのかもしれない。


「は!?何おまえなんかあんのかよ!!」


「あ、え?いやいや、ないですよないない」


「何その言い方。何そのはぐらかし方!言え!どこのどいつだ!あやっぱり、あの変態マヨ上司だろ!!どっかで絶対セクハラしてると思ったわ…。いいかAちゃん、それは経験じゃなくて被害だからね!」


「土方さんがそんな事するわけないでしょ!!」


キリがないので、私は大きくため息をつきベッドへと足を運んだ。

グチグチと何か言いながら、銀ちゃんもついてくる。


…まぁ、でも今は。

当時、銀ちゃん達と遊んでいた遊女達に自慢出来る。

彼の妻は、私なのだと。


「なぁににやけてんの。コロコロ機嫌変わりすぎだっつの」


ベッドにダイブし、ふふふと笑ってしまった私の隣に銀ちゃんが腰を下ろす。

頭、頬、と撫でられ、くすぐったくて目を瞑る。


「いい旅行だね」


「そうだな」


そのまま私は幸せに浸りながら、眠りについたのだった。

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お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます!!心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です!ありがとうございました!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは! 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます!続き頑張って書きあげますね!! (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました!めっちゃ面白いです!!続きが早く見たいです! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます!ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年4月9日 2時

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