子供23 ページ23
私たちバカ夫婦は、土方さんが発見してくれたおかげでホテルに戻ることが出来た。
将軍も雪まみれになっていた所を救出され、何とか大丈夫だったそうだ。
何度も何度も真選組のみんなに謝り、銀ちゃんにも無理やり頭を下げてもらった。
将軍を守るという任務を遂行しようとした、というのを汲み取ってくれた近藤さんは、ゲラゲラ笑いながら許してくれた。
「ゴリラいたんだな」
優しく許してくれた近藤さんに、冷たい一言を発する銀ちゃん。
「今この人ゴリラって言った?俺の事ゴリラって言ったよね。ていうかね、俺最初からいるからね!?一応真選組局長ってので通ってるんですよ!」
「全然この小説に出てこねぇじゃん。使いどこがねぇから出演出来ないんですよおたく。もっと使い道があるようなキャラクターでいねぇと〜」
「俺なにも悪いことしてないのにこの言われようは何なんだよ」
半泣きな局長。
影で頑張ってくれてるだけですよね、分かってますよ局長。
いつもありがとうございます。
ホテルでシャワーを浴び、冷えた体を温めた。
美味しい夕食も頂き、こんな贅沢していいのかと申し訳ない気持ちまで湧いてくる始末だ。
「A、ちょっと来てみろよ」
私たちが泊まるホテルの部屋は、二人にしては大きすぎる部屋だった。
本当申し訳ない…。
そんな私の心中などお構い無しに、銀ちゃんは無邪気に私を招く。
呼ばれそばに行くと、彼は窓の外を指さした。
外を見れば、真っ白な雪が辺り一面広がっていて。
その中で目立つ、淡いピンク色の花を銀ちゃんは指さしていた。
「シクラメン…?こんな所に咲いてたんだね」
「あ?なんだシクラメンって。あの花の名前のこと言うのかよ」
「銀ちゃんシクラメン知らないの!?冬の花って言ったらシクラメンだよ!!」
「お前、昔から絵だの花だの好きだったよな」
松陽先生が好きだったから。
だから私も好きになった。
松陽先生が桜の花言葉を教えてくれたから。
だから私も覚えるようになった。
「シクラメンの花言葉はね、「遠慮」とか「内気」っていうんだよ」
ボソッと呟きながら、窓に手を添える。
「Aにピッタリじゃねぇか。遠慮しまくりで内気な性格…って訳でもねぇか」
「て訳でもないのね」
苦笑して振り向くと、銀ちゃんが優しく笑っていて。
片腕を窓につけ、ゆっくり私と顔を寄せる。
背中に感じる、ひんやりとした窓の温度。
そして、彼は軽いキスをしてくれた。
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お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます!!心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です!ありがとうございました!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは! 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます!続き頑張って書きあげますね!! (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました!めっちゃ面白いです!!続きが早く見たいです! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます!ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2019年4月9日 2時