子供3 ページ3
「…で、今まで何で避けてたんだよ」
中に連れ込まれ、ソファに座らされた。
隣に銀ちゃんが座り、俯いた私の顔を覗き込む。
なかなか言い出せずに黙っていると、頭に手が置かれる。
「わりぃ。俺、知らねぇうちにAのこと傷つけてたかもしんねぇ。言ってくれたら直すからよ、気づかなくてごめんな」
優しい声が降ってきて、胸がキュンと音をたてる。
普段こんなこと言わないのに、時々こうして心配してくれる。
結婚してから彼の優しさが増したのは、分かってる。
けど
「三日前、銀ちゃん誰とご飯食べてた?」
やっと口を開くことが出来、弱々しい声でそう聞いた。
顔を見ることが出来ない。
目を合わせたくない。
思いっきり目を瞑り、ぎゅっと拳を握る。
「誰って…。もしかして、見てたのか?」
見てたのかって…。
そうじゃなきゃ聞かないよ、銀ちゃん。
見ちゃったんだもん、気になるじゃん。
面倒臭いって思われちゃうのかな。
重い女って言われちゃうのかな。
嫌な汗が流れ、涙が出そうになる。
すると、私の手に銀ちゃんの手が重なった。
「A、俺浮気なんかしねーよ。多分、そう勘違いしたんだよな?」
頷けば、銀ちゃんはとても真剣な目で私を見つめた。
「Aが見たであろう女、あれさ、人間じゃねぇんだわ」
は?
人間じゃない?
さっきまで泣きそうだった私の涙は引っ込み、次はふつふつと怒りがこみ上げてきた。
「人間じゃない…?何それ、言い訳?言い訳だよね、それ!!」
「はぁ!?いやマジなんだって!!」
「じゃあ何だったのよあれは!!どう見ても浮気でしょ!?あんな綺麗な女の人、肩に手置かせてヘラヘラしてたのは誰よ!!」
☕
「…すいませんでした」
私は今、銀ちゃんに頭を下げている。
彼に頭を下げるなんて、人生で一度もないと思ってたのに。
屈辱だ。
「ま、Aが嫉妬してくれたってことだろぉ?いいっていいって、顔をお上げよ」
コノヤロウ…腹立つ…!!
私達は今、平賀源外さんの所に来ている。
様々なカラクリが作られるこの場所で、銀ちゃんの浮気相手が作られた。
そう、つまり彼女はロボットだったのだ。
そんなの、ありなの…。
額に青筋を浮かべ銀ちゃんを睨むと、にたりと笑った。
「ほれ、そこにいんじゃねぇか」
指をさした先を見れば、確かにあの日見た彼女がいる。
それに三人もだ。
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お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます!!心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です!ありがとうございました!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは! 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます!続き頑張って書きあげますね!! (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました!めっちゃ面白いです!!続きが早く見たいです! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます!ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2019年4月9日 2時