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子供2 ページ2

「すいません、嫌な役引き受けてもらって…」


「俺は別に構わねぇけどよ」


素っ気なく言われたが、内心心配してるのが見え見えだ。

土方さんは優しい。

自分が思ったことは素直に口に出してくれるし、嘘をつかない。

ダメだと思ったことは口に出さず、そっとしまっといてくれる。

銀ちゃんと違って、大人だ。


「土方さん、ちょっと聞きたいことがあるんですけど、いいですか」


そんな大人な彼に、甘えてしまおうと思った。

もちろん答えはイエスで、私は遠慮なく言葉を並べる。


「自分の恋人が他の男と居酒屋から出てきたら、どう思います?」


瞬間、彼の表情は険悪な方へと流れる。


「はぁ?あいつ他の女に手出したのか」


ピキピキと青筋を浮かべる土方さん。

ビックリし、慌てて訂正しようと思ったが。

訂正することがなかった。


「あ、えっと…。見間違えじゃなければ、そうかと」


誤解であってほしい。

三日もこんな状態でいるんだ、少しは私に希望を持たせて欲しい。

…って、こんなウジウジしてても誤解も何も分からないのにね。


「はぁ…。で、聞けずにダラダラと時間だけが流れてるわけか」


「逃げちゃってるのは自覚してるんです。このままじゃダメなことも」


私が動かなきゃ何も変わらない。


「分かってんじゃねぇか。旦那のこと信用してぇなら、勇気振り絞って会うべきだと思うぜ」


あと一歩を、土方さんが押してくれた。

…ただ言葉が欲しかっただけなんて、私まだまだ子供だな。


「そうしてみます」





次の日、ちょうど非番だったので万事屋に足を運んだ。

朝早くから押しかけて大丈夫かなと不安もあるが、知ったこっちゃないと私の中の悪魔が囁く。

だよね悪魔さん、少しは傲慢にならなきゃ。

遠慮なくダンダンっと強めに戸を叩くと、「あーい」とだらしない声が聞こえた。

黙って待っていると、足音が聞こえてくる。


「おいおい、ピンポンダッシュですかー。あ、俺ん家ピンポンなかった…わ…」


ガラガラっと戸をスライドさせ出てきたのは、銀ちゃん。

私と目を合わせると、声をしぼめた。

そして突然

ガバッと抱きついてきた。


「屯所行っても出てこねぇし、連絡しても返信来ねぇし、俺なんかした?」


弱々しい声が耳元で囁かれ、胸がキュンと音を立てる。

犬のような銀ちゃんの頭を撫でてやると、顔を肩に埋めてきた。


「はぁあ…マジでこの三日死ぬかと思った」

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お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます!!心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です!ありがとうございました!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは! 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます!続き頑張って書きあげますね!! (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました!めっちゃ面白いです!!続きが早く見たいです! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます!ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年4月9日 2時

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