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子供9 ページ9

「どんなに世界に冷たくされても、私は…皆と一緒にいたいだけなの…それじゃダメかな」


これが正解か不正解なのかは分からない。

これは欺瞞に過ぎないからだ。

自分に言い聞かせているだけだからだ。

本当は私も怖い。

何に対し怯えているのか分からないのが、怖いのだ。

でも、それでもまだ生きているのならば、私たちに戦う意思があるのなら、進まなければならない。


銀ちゃんは、私の両肩に手を置き、ゆっくりと距離を離した。

もう瞳の色は、落ち着いていた。


「俺はぜってぇお前から、離れねぇ」


…いつの間に、そんなかっこいいこと言えるようになったの?

すごいや、銀ちゃん。

ついていきたいってワガママ言った子供の私を、連れてきてくれた。

もう…大人なんだ。


「あ、りがとう…」


私は、泣くのをグッと堪えた。

震える手を、銀ちゃんが握ってくれた。

それは暖かく、切なく。

これが戦争なのだと、受け止めることがようやく出来たような気がした。




次の日の朝。

一番に目覚めた私は、縁側で刀を磨いていた。


「朝から精が出るじゃないか」


ひょっこり顔を出したのは、小太郎兄さん。


「一度村に戻って食糧を調達しないと…」


調達部隊に頼まなきゃ。

頭の中で整理しながら、やるべき事を数える。

負傷者はおよそ十二人。

彼らを手当する包帯はまだある。

しかし、水が足りない。


「…A、あまり自分に気負いするなよ」


「え?」


「一緒に外に行こう。ここ最近、お前の険しい顔しか見てなかったからな。新鮮な空気でも吸ってスッキリしようじゃないか」


先に背を向ける小太郎兄さんを見ながら、刀を置いた。

気負いすぎるな、か。


下ろしいていた髪を結び、外に出てみる。

空は透き通るような青色で満ちいて、雲はのどかに流れている。

柔らかい朝の日差しは、優しい。


「疲れたな…」


「そう、だね」


「ハハッ、何だその顔は」


振り向いた小太郎兄さんに、頬をつままれた。


「ずいぶん綺麗になったな」


「そんな事ないよ」


「謙虚じゃないか。戦士の中でもAに気のあるやつはたくさんいると思うがな」


「一瞬の迷いがあるから、女が私だけだから、身が入っていないから、そういう気持ちになるの」


そう、そうだ。

気を抜いてはいけないんだ。

先生を助けるまでは。

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お茶(プロフ) - 狼さん» ご指摘ありがとうございます!注意書きにもありますが、原作と他は多々違うところがありまして、、!このお話の都合上3番隊の人数を増やしておりまして汗申し訳ありません汗 (2019年10月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
- すみません…今更なんですけど…子供扱い45のところの『三番隊の連中』ってあるじゃないですか…三番隊って…斉藤終しかいないんですよ…(コゴエ (2019年10月9日 20時) (レス) id: a55c73a212 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みのりさん» ありがとうございます!!これからも頑張ります!!ぜひ子供扱い2子供扱い3も見てくださいね! (2019年1月22日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みのり - 面白い展開ですねw。これからも頑張ってください!! (2019年1月22日 15時) (レス) id: f121079414 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - Fall ill appleさん» うわぁぁあコメントありがとうございます!訂正しておきます! (2019年1月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2018年8月25日 0時

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