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花束43 ページ43

〜銀時side〜


「こうしてるうちにも、刻一刻と時間は過ぎていくものですぜ、旦那」


「わーってるっつの!!混乱させたのはどこのどいつだ!!」


かなり長い時間、俺は総悟君と公園で話し合っていた。

できればAに高杉というやつを近づけさせたくない総悟君。

それは俺も同じだ。

しかし、俺ら2人、Aの幸せを第一条件に考えるのも同じ。

Aが奴の側で生きたいと願うなら、俺は何も言うことはない。

けど…。


「わりぃ総悟君、やっぱ俺行ってくるわ」


「さっすが旦那。そうこなくっちゃな。けど、もう6時ですぜィ」


まだ花屋にいるか分かんねぇけど、でも。


「俺、Aに惚れてるからなぁ…」


ゆっくり立ち上がり、うんと背伸びをする。

しっかりと話したことのない相手に挑むのは腰が引けるが、俺も男だ。


「頼みまさァ」


その総悟君の言葉を背に、俺は花屋へと走った。



「A!」


Aの元に行くと、彼女は1人花を眺めていた。

高杉が好きな花…総悟君から教えてもらった。…確か。


「ベニヒメリンドウ…」


夏の日差しに耐え、秋まで毎日紫色の花をつける。

花言葉は

貴方は私のもの、束縛。


「大丈夫か」


「坂田さん…」


俺の呼びかけにやっと気づいたAが、ゆっくりとこちらに振り向く。



「総悟君から話聞いた。…Aは、寄り戻してぇの?」


第三者の、ましてや客の俺がこんなこと言ってはいけないと分かっている。

けど、俺はAのことが好きで。

欲を言えば、俺のそばに来てほしくて。

頼むから、俺が残念がるようなセリフを言わないでほしいと、そう心の中で悲痛な思いを抱いた。


「わ、かりません…。とても、大切な人だったんです。だから、今嬉しいって思う自分もいて分からなくて…」


混乱してるのか、目元が微かに潤んでいるように見えた。


「そうか…」


「今から、彼ともう1度会う予定で…」


行かないでほしい。

それが

本音だった。

大の大人が1人の女の幸せを素直に喜べない。

これはどうなのだろうか。

きっとAは、本心は戻りたいと思っているはずだ。



「そっか。じゃあ、俺帰るわ」



「坂田さ」


ガキ。

俺は何に対しムキになったのか、その場から逃げるように自宅へと走った。

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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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お茶(プロフ) - ginさん» 暖かいコメント本当にありがとうございます!私の妄想癖が爆発した作品です...笑アニメ化なんてとんでもない!笑 今連載中の作品も坂田銀時メインなので、ぜひよろしくお願いします!ご愛読ありがとうございました!!ヽ(*´∀`)ノ (2018年9月4日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - そして、完結お疲れ様です!他の作品も頑張ってください!応援しています! (2018年9月4日 21時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - とても面白かったです!一気読みしちゃいました笑笑銀さんおしの自分にとってまじで最高の作品でした!読み終わった時に、あぁ、こんな恋愛してみたいなーなんて思ったり笑笑心が暖まるあったかいお話でした!アニメ化なんないかな?笑笑 (2018年9月4日 21時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - おもしろくて一気読みしてしまいました!! 完結お疲れ様です◎ 心がホッとするような、何かに気付かされるような、そんな素敵な作品だと思いました。これからの作品も楽しみにしています (2018年9月2日 11時) (レス) id: 451abd5f16 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 暁さん» 心温まるコメント本当に本当にありがとうございます!!実は、書きながら模索してストーリーを作っていくのですが、こうしたら読者も予想できない展開になるはず...で辿り着いたのが高杉元カレでした笑笑他の作品も読んでいただき光栄です!ありがとうございます! (2018年9月2日 3時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2018年6月10日 2時

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