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花束42 ページ42

〜Aside〜


「A」


「し、晋助、さん…」


高杉 晋助。

私が人生の中で、一番愛した男の人。

な、なんで…。


「相変わらずこの店にいんのか…」


優しい瞳、でも少しだけ愁いを含んだ視線。

そっと手が伸びて来て私の髪を撫でる。

ゴツゴツとして、熱を持った指先。


なにも、変わっていない。

私の愛した彼だった。


「髪、長くなったな」


私が彼と付き合っていた時は顎の長さだった。

長くした髪の姿を見てみたいと言われ、未練がましく伸ばしていた。

もう見せることもないと思っていたのに。

彼に触れられると、動けなくなる。

心臓が飛び跳ねるように踊り、泣きそうになる。

ずっと、会いたかった。

声を聴いて、話して、触れたかった。


「は、離してください…」


けど、今は…。

違うよ。

私の言葉に驚いたのか一瞬目を見開いた彼だったけど、すぐに手を離してくれた。


「いると思って寄ってみた。日曜に営業してるなんて、お前らしいな」


柔らかく笑う晋助さん。

私が好きだった笑顔がすぐそばにある現実に、手を伸ばしたくなる。

好きで、好きで、本当に好きで。

この人の言葉に何度も助けられて。

でも…


「か、彼女さんのところに帰ってあげてください…こんなところにいたら誤解されちゃいますよ…」


「別れた。だから来た。お前に会いに来た」


息が、詰まる。

別れた…?

私に、会いに…?

ダメ。

ダメだよ。

違う、そうじゃない。

今度はゆっくり手を伸ばし、私の頬に手を添えた。

顔を上げると、そこには昔と重なる笑顔の晋助さんがいて。









「落ちてこい、A」









昔から、彼は強引だった。

その強引さが、私は好きだった。

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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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お茶(プロフ) - ginさん» 暖かいコメント本当にありがとうございます!私の妄想癖が爆発した作品です...笑アニメ化なんてとんでもない!笑 今連載中の作品も坂田銀時メインなので、ぜひよろしくお願いします!ご愛読ありがとうございました!!ヽ(*´∀`)ノ (2018年9月4日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - そして、完結お疲れ様です!他の作品も頑張ってください!応援しています! (2018年9月4日 21時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
gin(プロフ) - とても面白かったです!一気読みしちゃいました笑笑銀さんおしの自分にとってまじで最高の作品でした!読み終わった時に、あぁ、こんな恋愛してみたいなーなんて思ったり笑笑心が暖まるあったかいお話でした!アニメ化なんないかな?笑笑 (2018年9月4日 21時) (レス) id: e17fc6e5e7 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - おもしろくて一気読みしてしまいました!! 完結お疲れ様です◎ 心がホッとするような、何かに気付かされるような、そんな素敵な作品だと思いました。これからの作品も楽しみにしています (2018年9月2日 11時) (レス) id: 451abd5f16 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 暁さん» 心温まるコメント本当に本当にありがとうございます!!実は、書きながら模索してストーリーを作っていくのですが、こうしたら読者も予想できない展開になるはず...で辿り着いたのが高杉元カレでした笑笑他の作品も読んでいただき光栄です!ありがとうございます! (2018年9月2日 3時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2018年6月10日 2時

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