隣人さん ３ ページ3
単純に、断ったあとの目が怖い。
まぁそんな理由もあるがもう一つ原因がある。
小学生の頃、少しやんちゃな子に好意を抱いていた私。
近寄ればその子は仕事を押付けてきて。
好きな子からの頼まれたものは嬉しく感じるお年頃で、何でも引き受けていた。
けど度が過ぎた頼まれ事に悩み一度断ったことがあった。
その日からその子に無視されるようになり、後にトラウマになったのだった。
大人だってどうせ変わらない、皆そう子供じみた事をするのが得意だ。
簡単だから、楽だから。
後に襲う弊害を考えれば、断らない方が身のためだと思うようになった。
「頼って欲しいねんけど」
「…え？」
小さな声が聞こえた。
チラッとメニュー表から顔を覗かせ彼を見れば、真っ直ぐな目でこちらを見ていて。
「てか頼れ。ただし俺だけに」
「ん？え？なに待ってどういうこと」
「A、俺はお前を助けたいねん。そんなビクビク過ごしてたら満足に死ねへんぞ」
「えっと…なんの話し？」
「分かるで、お前の性格上難しいってことも。なら性格真反対な俺が擁護するとどうや。あら不思議、なんだか身が軽いわ」
裏声を使いながらの一人芝居が始まり、プッと吹き出してしまう。
励まし方に癖がありすぎて。
こうなると止まらないのがコネシマくん。
その後も一人でベラベラ話し、最後には自分語りで終了。
笑いながら相槌をうっていたが、やはり彼との食事は楽しいことに気付かされる。
最後にはこうして笑っているのは、やっぱりコネシマくんのおかげだ。
「はぁー楽しかった」
「人の話そっちのけで笑ってたもんな」
「いや聞いてたよ！ちゃんと聞いてた！」
「じゃあ今から言うこと復唱しろ」
ビシッとスプーンを向けられる。
「ええか、私桜田 Aは、これからはコネシマ様に助けを求めます。はい」
「は？」
「復唱せんかい！」
「なんでそう偉そうなのよ」
クスクス肩を揺らし笑ってみせるとため息をつかれた。
不器用な優しさが暖かくて、今の私にはめちゃくちゃ染みる。
コネシマくんのその技量に圧倒される毎日だ。
結局彼が全額出してくれた。
今度は私が奢るからねと言えば首を横に振られる。
「お前に余裕が出来たらでええ」
私のお財布の中身が寂しいという風に聞こえるのだが。
ムッとしながら睨めば「ちゃうよ」と一言。
「ちゃんと俺に甘えられるようになったら、な」
ポンッと頭に置かれた手。
顔が一瞬で熱くなる。
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ろぜ - 軽い気持ちで読んだら大好きになりました！！にやにやが止まりませんね。これからも頑張って下さい！ (6月23日 17時) (
レス) @page50 id: 3f33f1430a (このIDを非表示/違反報告)
ななし - この話すごく大好きです！読んでいてきゅんきゅんしました！これからも頑張ってください！！ (2022年12月12日 19時) (レス) @page50 id: 9bdb69c685 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ - ううううううううううううう！！！！！！！しんじゃう！！！大好きです！！ありがとうございます！！ (2022年3月22日 15時) (レス) @page50 id: 8a217b576f (このIDを非表示/違反報告)
レイ - えrいけどシッマかわえぇぇぇぇ！！！！！！！！！！！ (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 最高かよぉ〜〜〜 (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶
| 作成日時：2020年4月2日 21時
