隣人さん ４ ページ4
「…何顔赤くしとんねん、アホ」
サッと手が離れていった。
見れば手の甲で顔を隠したコネシマくんの姿が。
耳が真っ赤に染っていて、目を逸らしたコネシマくんに更に照れてしまう。
「赤くしてない！」
「もう何でもええわ！帰るぞ！」
小さい子のように叫べば、彼はスタスタ歩き出してしまった。
慌てて追いかけ肩を並べる。
心臓がうるさい。
頭に乗った手はゴツゴツしていて男らしくて。
変な安心感がより私を困らせたのだった。
☕
「Aちゃんおはよー」
「おはよーシャオロンくん」
朝。
自販機でカフェオレのボタンを押したと同時に後ろから声をかけられた。
営業部のシャオロンくんだ。
部署は違うがよくお世話になっている。
「カフェオレかー、可愛ええね」
「子供舌なんです」
「の割には酒好きやねんな」
「っへへ、どうしてでしょうね」
お酒は大好きだ。
沢山飲むことは出来ないけど、美味しい飲み物でストレス発散出来るという利点を買いよく飲む。
眠たそうに欠伸をした彼は胸ポケットからタバコを取り出し、喫煙室へ向かおうとしていた。
が足を止め私の元へ戻ってくる。
「ななな、今日飲み行かへん？」
「今日？」
これといって予定という程のものがない私は「もちろん」と頷く。
小さくガッツポーズをしたシャオロンくんに笑いかけると、「LINEするわ」と言われる。
「あ、二人っきりって無理？」
「いや無理じゃないけど」
「ちょー待った待った、俺も参加な」
その時、後ろからガッと肩を掴まれた。
振り向けばそこに居たのはコネシマくんで。
「ゲッ、なんでお前来んねん」
「はぁ？ええやんけ。なーAー」
顔を覗かれ思わず目を逸らす。
近い近い近い近い！！！
グワーッと心拍数が一気に上がり自ら離れると、コネシマくんはニヤリと笑った。
「さぁーてタバコでも吸うかなぁー」
大きく伸びをしたコネシマくんはシャオロンくんより先に喫煙室へ行ってしまった。
コネシマくんも来るんだ。
ちょっと嬉しくなりニヤけそうになった頬にビンタをする。
「まぁええわ。店は決めてもええ？美味い店知っとんねん」
「じゃあお任せするね」
「おけおけー。じゃまた後でね」
フワフワっとした口調で手を振ったシャオロンくんは、コネシマくんの後を追うように喫煙室へ足を進めた。
仕事早く終わらせよう。
昨日のコネシマくんとの会話を思い浮かべながら、オフィスに向かったのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1282人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ろぜ - 軽い気持ちで読んだら大好きになりました！！にやにやが止まりませんね。これからも頑張って下さい！ (6月23日 17時) (
レス) @page50 id: 3f33f1430a (このIDを非表示/違反報告)
ななし - この話すごく大好きです！読んでいてきゅんきゅんしました！これからも頑張ってください！！ (2022年12月12日 19時) (レス) @page50 id: 9bdb69c685 (このIDを非表示/違反報告)
防弾チョッキ - ううううううううううううう！！！！！！！しんじゃう！！！大好きです！！ありがとうございます！！ (2022年3月22日 15時) (レス) @page50 id: 8a217b576f (このIDを非表示/違反報告)
レイ - えrいけどシッマかわえぇぇぇぇ！！！！！！！！！！！ (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 最高かよぉ〜〜〜 (2021年9月1日 18時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：お茶
| 作成日時：2020年4月2日 21時
