君と一緒 【東京喰種re】

５日目 時間 ページ9

私が連れてこられたのは喰種捜査官の本拠地CCG……の側にあるカフェ。


『うわ〜めっちゃオシャレなお店や！』


さっきまでの心配は吹っ飛んで綺麗な店内に見入っていた。


「有馬さんとえっと……名前まだ聞いてなかったね」


『えって、羽風Aって言います！
あ………』


流れでつい名前を教えてしまった。
自分からほいほい個人情報を白鳩に教えるなんて馬鹿にもほどがあるわ……


「私は喰種捜査官の宇井郡。こちらは上司の有馬さん」


宇井さんと有馬さんって言うんか……


有馬……有馬さん……どこかで聞いた覚えあるんやけど。どこやったっけ？


「じゃあ有馬さんも羽風さんもコーヒーで大丈夫？」


「うん、ありがとう郡」


『あ、はい！大丈夫です！』




♦♦♦♦


しばらくして、コーヒーが運ばれてきた。


『……うまっ……』


缶コーヒーよりも自分で淹れるコーヒーよりも圧倒的に美味しい。


スプーンでかき混ぜるたびにフワリと良い香りがする。


「よかった、ここには良く部下と一緒に来ててね」


宇井さんがほんの一瞬、悲しそうな顔をした。


『ええなぁ……こんなん毎日飲めたら幸せですね！』


「それは大袈裟じゃないかな？」


くすりと宇井さんが微笑む。
有馬さんも顔には出ていないけどずっとコーヒーを飲んでいる。


前は自動販売機でしかコーヒーを買えなかったからその分すごく美味しく感じた。


『あ、時間や……
あの、誰かとこんな風に話すの久しぶりやったんで楽しかったです！ ありがとうございました！』

楽しい時間はすぐに過ぎるのは本当のようだ。
私はさっとコーヒー代を置いてお店から出ていった。


宇井さんも有馬さんもうちをずっと見てたから喰種って今度こそバレたんじゃないかって思ったけど……


『流石にまた会うことなんて無いよな……？』

６日目 面影→←４日目 再び

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す