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私と伊藤くんは何も言えずに三橋くんについて行く。三橋くんは人の多いところでピタリと足を止め、私達の手を離した。
「おいお前らよく聞け!!!ここにいるこのマブい女は俺の彼女だ!!手出したらタダじゃおかねぇし、告るのも許さねぇ!!!」
「えっ、三橋くん!?」
私の肩をグイッと抱き寄せてそう叫ぶ三橋くん。周りのみんなも目を丸くして私達を見る。それと、と三橋くんは伊藤くんを指さして続ける。
「そこにいるトゲトゲ頭にも超マブい彼女がいるから告ったりするんじゃねぇぞ!!!コイツらにラブレター送った奴は全員ぶっ飛ばす!!
...心当たりがある奴は今すぐ自分の取ってきた方が身のためだぞ?」
そういつもより低めの声で言えば、慌ててみんなが下駄箱に向かう。...どれだけラブレター送ってんのさ。
呆然としてる私達を他所に、三橋くんは先に歩き出す。
「何ボーッとしてんだよ、行くぞお前ら」
...三橋くん、私達が困ってるのに気付いてわざわざこんな事言ってくれたのかな。
伊藤くんも同じことを思ったのか目が合う。そして同時に三橋くんに向かって走り出し、その腕にぎゅっと抱き着いた。
「三橋くん!!」
「三橋ぃぃぃ!!!」
「はっ、ちょ、何だよ急に!!」
「お前っ、見直したぞ!!意外と仲間思いな奴なんだな!」
「三橋くんありがとう!!大好き!」
「うん、まず伊藤は離れろ。そしてA、もっかい言って??」
そんな風にギャーギャー騒ぎながら歩く帰り道。やっぱり2人と一緒にいるのは楽しい。
...なんて口が裂けても言わないけどね。
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ソウ - はじめまして!ソウです!読ませていただきました!めっちゃ面白かったです!これのおかげでまた今日から俺は大好きになりました!ありがとうございます!!( ≧∀≦)ノ (2019年8月21日 20時) (レス) id: 8344a9dd37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるる。 | 作成日時:2019年4月30日 14時