12 どこまでも誠実な人 ページ14
Aちゃんという人物はどこまでも誠実な人間だ。
誠実かつ単純。そんな言葉が似合う人だ。
脳筋というのはただ口より手が出ると言うだけで、誠実さの邪魔にはならない。
Aちゃんに申し訳なさげに言われた時、僕は僕に怒った。
何を考えてたんだ、僕は。
彼女が人を傷つけるために嘘をつく人間じゃないのは知ってる筈。
「そ、だったんだ」
「うん。ごめんね、出久。
受験の邪魔になるだろうから殴るね」
「殴らないでAちゃん！！」
拳をギュッと握るのはやめてくれAちゃん。僕は前に見たんだからね。片手で林檎潰してるの。
林檎潰すのに90Kgがいるんだっけか･･･？
･･････えっ、Aちゃん本当に女子学生なの？
「いらねぇ世話だ脳筋女！！
テメェ如き没個性に俺の邪魔なんて出来るかよ！」
「はぁん！？人の気遣いを無下にしたなてめぇ！
そういう奴に限って泣く目に会うんだからな！！」
『ご安心下さいマスター。いつか私が泣かせますから』
この主従本当にどうにかして欲しい。人がせっかく真面目になってる時に。
かっちゃんは舌打ちをして教室から出ていった。
Aちゃんはその様子を見ると、なにかに気付いた様だった。
「そっか。私が心配することが出久と勝己のモチベーションを下げてるのか。
･･･ん？じゃあはじめから話すべきだったの？
いやでもそんなの分かんねぇし･･･。
･････････どうすりゃいいの？」
『あぁ、マスターは本当に心優しいお人です！
この天草四郎、マスターと共に世界を平和にします！』
「･･････とりあえず、ノート拾って帰ろうか」
大真面目に悩むAちゃん。
勝手に心打たれる天草さん。
何度が見た光景なので慣れている。
「･･･マジでなにかに取り憑かれてんのかな」
『こっちですよマスター！』
「僕、ノート取って帰るね」
最近は気配を感じられてる為、成長してることは成長してるAちゃん。
以前キャスターのクー・フーリンさんが言っていたことを思い出す。
『嬢ちゃんの魔力がようやく俺らと体に馴染み始めて来たんだな。こうなりゃ見える日は近いぜ』
と嬉しそうに語っていた。
･･･見えたとしても幽霊だと勘違いされて殴られるんじゃないか？
僕は教室を後にした。
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きゅうり - 物凄く好きです。もう更新はなさらないんですか？ (4月5日 15時) (
レス) id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
シツ(プロフ) - 立てばイケメン喋れば残念戦う姿はバスターゴリラ(？)ガウェイン強いですよねー (2020年6月14日 19時) (レス) id: 0ba0375d27 (このIDを非表示/違反報告)
てひつる - りさこさん» コメントありがとうございます！第六特異点ほんとにキツかったです…。ありがとうフレンドのエウリュアレちゃん…。今後ともよろしくお願いします！ (2020年1月3日 18時) (レス) id: 59b0e3aa20 (このIDを非表示/違反報告)
てひつる - Yuki@萌え探求者さん» コメントありがとうございます！初見で面白いと思っていただけて本当に嬉しかったです…！更新は気まぐれになってしまいますが、気長にお待ちください！ (2020年1月3日 18時) (レス) id: 59b0e3aa20 (このIDを非表示/違反報告)
てひつる - とろけるチーズさん» コメントありがとうございます！お待たせしてしまって申し訳ないです…。ゆっくり自分のペースで更新していきたいと思うので、気長にお付き合いください！ (2020年1月3日 17時) (レス) id: 59b0e3aa20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てひつる | 作成日時：2018年3月11日 10時
