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真剣な表情でそのまま口を動かすユウだが…声を発する事は無く、その行動に 私は首を傾げた。
ユウも何故か難しい顔をしていて…
その後直ぐ、彼は口を動かすのを止めると、
「…ごめんね。俺はただこの寮に住み着いてる ただのゴースト。久しぶりに来た
と、申し訳なさそうに話した。
『そっ、か…急に変な事聞いてごめんね』
「いや、俺も力になれなくてごめん。
でもね、いつかちゃんと分かる日が来るよ。この世界の事も キミ自身の事も……過去も未来も全て。
それに、もし…何もかも思い出せなくても……今のAなら、きっと──…」
そこで、急に話しを終えたユウは、私とは別の方向に目をやって、そのまま動かなくなった。
なに…?過去未来も全て、って?
今の私なら…?どういう事…
『…ユウ、それって─……ひっ、』
続きを聞き出す為、彼の顔を覗き込んだ瞬間。それ以上言葉を発する事を許されない…喉を締め付けられるような恐怖に襲われた。
先程までの温厚そうな彼の瞳は完全に据わっており、何かを眼光で刺し貫きそうな程、暗い闇の中一点を鋭く睨め付けていた……
私が視界に入った事で、表情をパッと戻したユウは、そのままニコリと笑うと 私の視界を遮るように此方に手を伸ばす。
「───ああ、ごめんね。ちょっと用事が出来た。
A、また会えた時に話そうね」
『えっ!?ちょっと…待って!まだ聞きたい事が沢山……』
目の上に掌を被せられるが、その腕を掴み抵抗をみせる。…が、段々と…瞼が、下り…て……
「ゆっくりおやすみ A。
良い夢が見れますように」
その声を最後に、私の意識はまた
夢の中に落ちていった。
「──……さてと!Aもまた眠った事だし。
折角、見逃してやろうと思ったのに…あのガキ、Aに何してんだ……
どう制裁してやるか。……ああ、そうだ!寮の外に磔にするか!我ながら良いアイデアだ!!あははっ!!
…いいや、Aが哀しむかもな。ちょっと怖がらせて、部屋から出すだけで勘弁してやるか」
それにしても。なんでキミは俺の事まで忘れちゃってるんだろうね…言葉も伝わらないし……悲しいな…
こんな学園にキミを1人にするなんて…本当に心配だ。
お前は 無知で単純で馬鹿で弱い…ずっと隣で守ってやらないと生きていけない様な、かわいい生き物なんだよ。
──でも、大丈夫。俺がずーっと見守ってるから。
俺の大切な A──…
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ぬ(プロフ) - 平凡な人さん» コメントありがとうございます(*^^*)楽観的でちょっと抜けてる監督生ちゃんと、愛重めのユウくんの今後も楽しみにして頂けると嬉しいです! (2022年7月29日 18時) (レス) id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - おれんじさん» お返事遅くなりすみません!こちらこそいつもありがとうございます!(ᵔᴥᵔ) (2022年7月29日 18時) (レス) @page36 id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
平凡な人(プロフ) - ぬ、主ちゃんがかわゆいッッ!!ユウくんが出てきたのにはびっくりしました!ヤンデレ…ですかね?いつもありがとうございます!次も楽しみに待っておきますね!更新お疲れ様です! (2022年7月29日 15時) (レス) id: 5666188338 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ - お知らせ了解です!いつもありがとうございます! (2022年7月25日 21時) (レス) @page36 id: 1b74a0ce77 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - おれんじさん» いつもありがとうございます(*^^*)コメント頂けてとても励みになります!来週も更新出来るように頑張ります! (2022年6月10日 17時) (レス) id: 43846487a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬま | 作成日時:2022年4月18日 10時