ヒロインは悪役につき２

リクエストアンケート・「カラ松と体育館で閉じ込められる 」２ ページ4

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「今...鍵、閉めなかった？」

「いや...さすがに先生も戸締りするときは中に誰かいることぐらい確認するだろう」

「だよね」



念のため。念のために私は体育倉庫の扉の方まで歩く

扉に手をかけて左にずらした



「ちょ、嘘でしょ」



がちゃん、と虚しい音を響かせる扉は一向に開く気配はない

ガチャガチャと何度も扉を横にやってみるが、やはり鍵は閉められているようだった



「はぁ？！ちょ、待って」


「冗談だろう？！...っく、開かねぇ」





ねえ。私、２回目ですけど





「ま、まぁ。また十四松が来て」

「それはない」

「なんで？」

「今日は、何の日だ？」

「なんのって……ウインター祭りがある…」




そう、今日はウインター祭り。簡単に言えば冬に開催される結構大規模の祭りが開催される日なのだ

それとこれと、何が関係あるのだろう




「...おそ松たちはその祭りに行く。俺は部活があるから断った」

「私は寒いのイヤだから用事があるって断った」

「っふ、おそ松たちは今ウインター祭りにいる。家に帰ってくるのは…おそらく１０時頃」

「は？」

「つまり。おそ松たちが家に帰るまで、俺がいないことに気が付かない」

「はぁぁ？！」




手に持っていたスマホを見る

画面は真っ暗。充電切れ



カラ松探し物手伝いの時、スマホの光を頼りに探していた
よって、少し残っていた充電がなくなってしまったのだ




「まって、今日の夜は…」

「あぁ、今期最強寒波だ」

「...そんな」




今はだいたい６時。

つまり、最低でも４時間はここにいないといけないということだ





「死なないよね」

「どうかな」



最悪すぎる




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「っふ、ッぶえっくしょん！」

「色気のないくしゃみだな」

「こんな時に色気だのなんだの言ってられるかってんだよ」




寒い

とにかく寒い



ひんやりとした倉庫内に、どこからか隙間風が吹き込んでいる

ぞくぞくと這い上がってくる寒さを防ぐ手段は何もない


お互い端っこで、小さくまるまってひたすら寒さに耐える





「...cold...ベリーcold...ん、あ！毛布発見」

「はぁ？！ズルい、何枚あるの？」

「っはぁ〜ん。１枚だ」

「死ねよ太眉！」




いいなー畜生

ふわふわのあったかそうな毛布に体を包み始めるカラ松を恨めしい目で睨んだ






「来るか？」






「はい？」









私の目の前には、俺の胸に飛び込んでこいと言わんばかりに両手を広げるカラ松がいた





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