ヒロインは悪役につき２

チョロ松と雨宿り２ ページ18

・



「いいか、絶対こっち向くなよ？こっち向いたら殺す」




脅迫罪で訴えるぞ



そう反撃しようかと思ったが、雨のせいか。気分が落ち込み、そんな事を言うのも余計な体力を消費するだけだ




ち、と舌打ちを零して私は雨が止むのを待つ






肩口に雨が当たった




チョロ松の方によると、軽く押し返される


睨もうとしてチョロ松の方を向けば、チョロ松は私に背を向けた





「なんだよさっきから！」

「っるせぇな！こっち見るなって何回言わせるんだよ！」

「はぁぁぁ？！死ねよチェリー松が。もういい！気分悪いっ」




イライラする


理由もなしにこっちを見るなとか、意味が分からない

この場にいてもイライラするだけだ




「もういいって…」

「もういいって！行くから！ごめんなさいねー、童貞シコ松。そんなに一緒にいたくないならハッキリ言えよなもやし松！」




そういって屋根を出ようと一歩踏みでた瞬間



チョロ松は私の腕を掴んだ





「んなこと一言もいってねぇし...」

「じゃあ、何なわけ？！もう、イライラすんなぁ」

「...だからっ」

「あ？」









「...し、下着が。す、す、す、透けて...る、から」









＿＿＿＿＿ザァァァァァァ



雨の音がやけにうるさく聞こえた



そっ、と下を向く



確かに、透けてた







ふぅ。息を吸った








「それを先に言えよ馬鹿野郎！！」






「は、はぁぁぁぁ？！なんで逆切れ？！」

「さっさと教えろよこの童貞！だからお前は童貞なんだよ！」

「と、とりあえず隠せ！頼むから」

「だって、ブレザーは濡れてるし。ジャージは学校だし...」

「あぁ、もう！」





苛立ったようにチョロ松は自身のカバンの中を漁った

すぐにジャージが出てくる





「っぶ」

「これでも着とけ」

「え」

「その物騒な物を見せないで！って言ってるの！」

「ぶ、物騒な物？！どういうことだよ童貞！」

「早くしろって！」





チョロ松に鞄を持たせチョロ松のジャージを着る

全体的にブカブカだ




袖をまくって、チョロ松から鞄を受け取る




「汗くさ...」

「文句言うなよ。おまえが道行く人を襲わないように協力してやったんだから」

「なんで私が襲うんだよ！」

「猛獣のくせに」

「だまれライジングシコスキー！」

「うるさい！」






はーーーーー。不愉快だ





・

チョロ松と雨宿り３　チョロ松side→←チョロ松と雨宿り１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す