ヒロインは悪役につき２

チョロ松と雨宿り１ ページ17

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「うわ、雨強くなってきた！」




学校の帰り道、私は制服のブレザーを脱いで頭にかぶせて走っていた


突然の雨。
今日は遅刻しそうだから天気予報を見ずに家を出てしまった自分を恨む


鞄の中にはさっき買ったばかりの少年漫画が入っている



こればかりは濡らすわけにはいかない


鞄を傘代わりにできないため、制服で防いでいる




しかし、雨は強くなる一方





「雨宿りしよっ」





帰り道、すでに閉店しているたばこ屋さんにはボロボロだけど屋根がある


そこで雨宿りをしようとして駆け込んだ




「「あ」」




そこにいたのはチョロ松だった



最悪だ



「なんでお前がっ」

「こっちの台詞なんですけど！最悪だよ」

「じゃあとっとと帰れ」

「っは、お前が帰れ！」




暫く睨み合う


ばかばかしくなって目をそらした








雨が一向に弱まらない

むしろ、強くなっているような気がする





「なんで隣にいる奴がこんな童貞なんだろうなー」

「だから心の声漏れてるっつーの。死ね」

「わざとですが？」

「うっざ。美穂子ちゃんとだったら祝福の時だったのに」

「童貞には刺激強いんじゃなくて？」

「死ね！」

「お前がな」




あーうざい。うざい



さっさとやまないかな。この雨





「...おい、もうちょっとそっち寄れよ」

「こっちだってギリギリだし」

「寄れっつってんだよクソ女！先客は僕だぞ」

「レディには優しくしろよクソ童貞！」

「童貞関係ないし！レディ？笑わせるな...」



お互い向き合って喧嘩していた時、不意にチョロ松が言葉を途切れさしｔ



ドっと汗をかいて目線をあちこち泳がせた

心なしか顔が赤かった




「チョロ松？んだよ、気色悪い顔して」

「うるさっせぇな！こっち向くな馬鹿！」

「痛っ？！は、なに？死ねよ！」

「だ、だから！お前あっち向いてろ馬鹿！」

「はぁぁ？！」






なんだよこの童貞は



精神不安定か？







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