部屋着 20 ページ30
あのストラップ…確か…
正人が、いつもスマホにつけていたはず…?
『外れちゃったのかなぁ?』
正人のストラップを手にとって、じっと見つめる。
…いつも正人のスマホについている猫のストラップ。
所々が少し色褪せていて、ずっと付けていたということが確認できる。
『…男のくせに、こんな可愛い猫のストラップなんて…』
まぁそこが可愛いところなんだけど…。
ぎゅっとストラップを握る。
『…正人……私と、付き合ってよ…』
なんてことを呟いて、私はストラップをテーブルの上に置いた。
『明日は月曜日だし、返すのに丁度いいわ』
さて、さっさと片付けよう。
_______
『…ふぅ…お腹いっぱい…』
お腹も十分に満たされたところで、昼間のことが思い出される。
彼女さんのことで頬を赤らめていた正人。
……あぁ…辛い。
『やっぱり……言ったほうがいいのかなぁ…』
もちろん、断られることは目に見えている。
だって、あんなに幸せそうに彼女さんが居るんだから…。
彼女さんを捨ててまで、私と付き合うなんて魅力は私には存在しない。
『…でも、言わないで後悔するよりは…ずっとマシ…なのかなっ…』
あぁ…目からまた何か溢れてくる。
『また泣いちゃう前に、さっさと寝よっ!』
私はお風呂に入って、寝る支度を進める。
『…お休みなさい』
そして私は、夢の世界へと落ちていった。
_____
ふわふわする…。そっか、ここは夢の中…かな…。
私はどこかに向かって歩いていく。
どこに、行くの…?
『正人…!』
夢の中の私は前に見える正人に向かって走っていく。
正 「A…大好きだよ」
そう言って正人は私を抱きしめる。
あぁ……なんて素敵な夢なの…。
これが、正夢だったらよかったのに…なんて。
そんな夢を見て、私はもっと深い眠りへと落ちていった。
_______________
『おはよー』
教室に入って、友達に軽く挨拶をする。
さて…と。
正人はどこだろう…?
窓際に視線を向ける。
正 「あははっ」
私の大好きな笑顔で笑ってる。
ストラップ、返さないと。
私は荷物を片付けて、正人に向かって歩き出す。
「お?」
「Aさんじゃん……可愛い…」
なんて難聴気味な言葉を無視して、私は正人にストラップを差し出す。
『正人…くん。これ、昨日忘れていったでしょ』
正人っていうのが恥ずかしくて、君付けで呼んだ。
正 「おー!ありがとー!大事なものなんだー」
あぁもう、可愛いんだけど。
そんなこと考えてた。
799人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
織姫 - 咒萌琉@ちゃんこ様さん» あはっ、ちゃんこ様…さん?wが面白かったようでなによりです!周りから変な目で見られないように気をつけてくださいね?w更新頑張ります! (2018年12月28日 0時) (レス) id: 4778a94982 (このIDを非表示/違反報告)
咒萌琉@ちゃんこ様 - 部屋着 4 くらいからめっちゃ笑ってました。呼び捨てにしてたりとか「まふまふよ…心配してくれるのか…」とかものすごい笑いました。頑張ってください!応援してます! (2018年12月26日 2時) (レス) id: 6bd5899d44 (このIDを非表示/違反報告)
織姫 - 朱桜よろんさん» あー!お久しぶり?ですねー!ふっふっふ、こんなのでも一応作者なんですよ?w文才力なんてないですよ〜!私も更新頑張るので、よろんさんも更新頑張ってくださいね? (2018年12月16日 2時) (レス) id: 4778a94982 (このIDを非表示/違反報告)
朱桜よろん - 織姫さん» 織姫さん…!!作者様だったのですね…!!文才力の差…圧倒的です… 更新がんばれください((( (2018年12月12日 22時) (レス) id: 164fe08ff3 (このIDを非表示/違反報告)
織姫 - こたぬきさん» あ、こっちも読んでくださったんですね!ありがとうございます…!私が今までに書いた作品は織姫の作品集という作品から全部観れるので是非他の作品も見てくださいね!更新頑張ります! (2018年11月28日 1時) (レス) id: 4778a94982 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:織姫 | 作成日時:2018年2月18日 6時