Call My Name ！ Ⅱ (ページ29)

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「じゃー朱、私達が戻ってくるまでそれやっててね」

「俺達も売店行ってくる。黄瀬もくるか？」

「おー」

「俺はいいっす、お2人で行ってください！」

　4人は席を立った。笠松と桜は体育館使う組の主将会議で。森山と絢は文房具を買いに。残されたのは黄瀬と私。

　黄瀬も黄瀬で笠松に言われて勉強を始めてる。笠松が居なくなったら騒がしくなるかな？と思ったがそんなこともない。集中してるようで、先程桜に教えられた公式を首を傾げながら見てる。

　………黄瀬に負けた球技大会、デートの約束はしたが詳しい日程とかはきめてない。最も、ことある事にデートどこ行きたいすか！？とか何が好きですか！？とかは聞いてくるんだが。西日に照らされた黄瀬の金髪がキラキラしてる。

　長い睫毛が伏せられて、いつも弧を描いてる口がきゅ、と締められてる。………こんな顔もできるんだ………

　最近黄瀬のコロコロ変わる表情に目が行く。笑ってれば安心するし、眉を下げてれば不安になるし、真剣な顔をすると胸が熱くなる。

　黄瀬と過ごす時間は、少しだけムズ痒くて、だけどとても＿＿＿＿居心地がいい。

　………こうして、一緒に過ごしている時間の中にも答えの欠片があるのかな。

　そんな柄にも無いことを考えながら、私は再び桜の作った問題に視線を落とした。難しい問題に、少し意識が微睡む。あ、寝てしまいそうだ………
　