Call My Name ！ Ⅱ (ページ19)

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【「えーこれより昼休憩に入ります。午後の競技は1時半からの開始となりますので………」】

「「「「「おおぉお………！」」」」」

　昼休憩、こんなアナウンスが流れる中、人が溢れかえるグラウンドの片隅で男女のグループが感嘆の声を漏らす。その中心には＿＿＿＿オシャレかつ可愛いお弁当。お弁当の蓋をもつ少女＿＿桜はキリッとした顔で言う。

「……名付けて、"午後からも楽しく元気に頑張ろう、スタミナいっぱいスペシャル弁当フルーツもあるよ！"………です！」

「長え、そして絶妙にダサいな…………」

「じゃあお前食うな」

「そうだ食うな」

「ごめん嘘すごく美味しそう」

　そんな会話を繰り広げてるグループ＿＿笠松と絢、森山、朱、そして黄瀬というメンツである。黄瀬が言う。

「流石桜センパイっすね～、全部美味そうっす。つーか俺食っていいんすか？」

「今年は作り過ぎちゃったからね、仕方ない。黄瀬くんも食べて」

「………相変わらず言い方にトゲがあるっすね～？生理っすか？」

「おほほほ、箸で刺すわよ？」

「まーまー飯の時位喧嘩すんなって。それより、今年も豪勢だなあ。」

「ふふん、4時起きです！」

「すげえな。毎年ありがとな」

「どういたしまして、笠松くん♪」

「うっわ、俺との態度の差。………ん？毎年？」

　黄瀬がきょとん、とすると絢が食べながら器用に話し始めた。

「………桜はいつもアタシらの弁当を作ってくれんだが、球技大会の時は笠松達の分も作るんだ」

「だから有難く食えよテメエら」

「こーら、朱ちゃん、脅さない。大体朱ちゃんと絢ちゃんにご飯作ってるのは2人とも食生活がなってないからよ。じゃなかったら作らないんだから。大体……」

「……あー、このハンバーグ美味しい」

「誤魔化さないの！」

「やめとけ穂高。時間の無駄だ」

「アン？てめえもういっぺん言ってみろ、てめえの鼻に枝豆いれんぞ？」

「やってみろゴリラが」

「だーかーらー喧嘩すんなって！………絢も止めてくれよ！」

「ほふぁんふってるはらむひ」

「食べながら離さないの絢ちゃん！」

「………あははっ！」

　そんな会話をしながら食べる3年メンツに囲まれた黄瀬は笑う。なんだこれ、すげー楽しい。俺だけ1年だし、まだ時間もそんなに経ってないけど、このほのぼのした感じ、嫌いじゃないっす。

　そんなことを思いながらおにぎりを頬張った。おいしかった。