Call My Name ！ Ⅱ (ページ33)

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　＊

　やってしまった。

　俺は廊下を歩きながらぼんやりとそう思った。朱センパイに…………………キスしてしまった。

　言い訳をさせてもらえば、本当にする気はなかったんだ。ただ髪が邪魔そうだったから耳にかけて、それから＿＿＿＿＿って、俺は誰に言い訳してんだか。

　けど、センパイ、キスした後＿＿＿＿顔、真っ赤だった。それがあまりにも可愛くて………あのままいたらきっと抱き締めてまたしてたと思う。
　

　それより、明日からどうしよ…………………センパイ、普通に絡んでくれるかな？どうだろうな～………あの人こういうの初めてだろうし、…話して貰えない、なんてなったら………

「あれ？もう帰るの？」

「あ、桜センパイ」

　下駄箱から靴を取ってると桜センパイがいて。センパイは飲み物片手に寄ってきた。

「朱ちゃんと一緒に勉強会してたんじゃ……………………あ、その顔なんかあったでしょ」

「………………わかります？」

　桜センパイはそう言ってじと、と俺を見て意地悪く笑う。…………本当に油断も隙もない。俺のポーカーフェイス見抜けるのこの人くらいじゃないか？桜センパイは「やっぱりか～」と言って下駄箱に寄りかかった。

「なになに。何があったの？オネーサンに教えてみなさいよ」

「…………俺、朱センパイに………キス、したんす」

「き、キスゥ！？ちょちょちょちょちょ、まてまてまてまて」

　桜センパイはキス、と聞くなり身を乗り出して聞いてきた。