リアル・ヒーローショー

03　発見 ページ4

「まさか、本当に上に来れちまうとはね……」

「偶然だが上階が見つかったからな。
行かない手はねぇだろ」

瓦礫のおかげで高くなったところを足場にし、一つ上の階に登る。

大我はさも何でもないことのように言うが、武士は呆れ顔だ。

上階も先程いたような通路が伸びており、扉があった。

武士と大我は顔を見合わせ、武士がドアノブに手をかけて回す。
今回はあっさりと扉が開き、二人を中へ招き入れた。

「どうやらここは闘技場だったらしいな」

中に入って真っ先にそう言った大我に武士は頷く。

二人は吹き抜けになった広い空間の通路にいた。
思ったよりも幅のある通路が壁に沿うようにぐるりと付いており、下の空間へ落ちないように柵が設けてある。

下は円形のスタジアムらしきものと客席と思われる椅子が列を作っていた。

「けど、ここには何もなさそうだな」

行こうぜ、武士が言うと、大我は首肯する。
二人は闘技場を後にした。

それから通路を進んで行くと、再び扉があった。
扉を開けると、今度は外だった。
下に瓦礫が見えるので、ここは崩れてしまったのだろう。

まだ無駄足かと思った時、小さく爆発音が聞こえた。

「あれは……！」

武士が音のするほうを見て、声を上げる。
小さな人影達の中に知り合いを見つけたのだった。

ここからポリマーホークで飛んで行けばすぐに着くのだが、それでは大我を置き去りにしてしまう。
どうしたもんかと考えていると、大我が動いた。

ゲーマドライバーを装着し、ガシャットを起動させる。

「第参戦術」

『バンバンシューティング！』

『ジェットコンバット！』

「お、おい、何してんだよ？」

目を丸くして訊いてくる武士を無視して大我は叫ぶ。

「変身！」

電子音が響き、大我は仮面ライダースナイプへと変身した。

「捕まってろ」

言うが早いが、スナイプは武士を俵担ぎにして目的地まで飛行する。

「え……ちょ、ちょっとぉぉぉ！？」

俺も飛べるんだけど、という武士の声は口から出ることはなかった。
落とされないようにスナイプにしがみつくことに労が割かれたからである。

☆☆☆

短く息を吐き、キャシャーンは異形を蹴り飛ばす。
ヘビツカイシルバーもキューシックルで異形を斬り付けた。

数分前からそれを繰り返しているが、異形達の数は減る気配がない。

シルバーがオフューカスインパクトを放ち、爆発が起きる。

異形が消し飛んだそこに、スナイプと担がれた武士が現れた。

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