23 鍋 ページ25
隣の病室で健、武士、ナーガの三人が掃除をしていると、鉄也が武士を呼び出した。
「どうした、少年？」
「武士にまだ謝ってなかったから、謝りにきた。
巻き込んで、ごめん」
頭を下げる鉄也の意味が分からず武士は混乱したが、やがて思い当たった。
「それって、遺跡のことか？」
「うん。
武士は、遺跡に連れて行かれそうになった僕を助けようとして結果的に巻き込まれたんだ。
本当は無関係だったのに」
「謝る必要ねぇって。
俺が勝手に巻き込まれに行っただけだし、それに……」
申し訳なさそうにうつむく鉄也に、武士は笑う。
「どうせ、ここに来ることにはなってただろうからさ」
「……それもそうだね」
わざわざ異世界まで自分達を探しにきた健達を思い浮かべて、鉄也も微笑んだ。
☆☆☆
夜、廃病院の待合室でヒーロー達が鍋を囲んでいた。
「どうして待合室で鍋をつつかなくてはならないんだ」
「ここぐらいしか全員入り切る場所がねぇんだ。
我慢しろ」
健にそう返し、大我は食材を入れていく。
そして、ついでにと言わんばかりに言った。
「全員集まってるし、どうせだから遺跡のこととあの少女について話しておく」
「やめようぜ先生。
飯が不味くなる」
武士が不満そうに言い、肉と野菜を頬張る。
先生、と呼ばれた大我は嫌そうに表情を歪めつつ言った。
「外科医は飯を食いながら執刀や出血具合の話をするぞ。
これぐらいで飯が不味くなる訳ねぇだろ」
武士はまだ不満そうだったが、大我はお構いなく簡単にこれまでのことと永夢から電話で伝えられた情報をヒーロー達に聞かせる。
話を聞き終えた城二が言う。
「その少女、Aの目的は、恐らくヒーローに関するものだろう。
そうでなければ鉄也達を呼んだ理由がつかない」
「ヒーローに関するって……どうしてあいつにとって敵みたいな奴が目的になるのよ」
笑が首を捻りながら訊く。
それに答えたのはニコだった。
「ゲームキャラだからだと思う。
敵キャラとしてヒーローと戦えなかったって、そういう無念みたいなのがあるのかも」
「一理あるな。
グラファイトもラヴリカも、自分達のゲームの設定の上に自分の流儀があった」
大我が肯定し、少なくなった食材を投入していく。
大人数で食べているので減りが凄まじかった。
「今はまだ情報も足りないし、Aとやらを発見したら警戒するくらいしか対策は出来んだろうな。
外ではなるべく常に注意を払おう」
健の言葉に、一同は頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つっつまー(プロフ) - リナっちさん» こんばんは、明けましておめでとうございます(二日遅れ)。 お疲れ様、そして返信遅くなってごめんなさい。 お仕事、すぐに始まるんだね……大変だ。 リナの小説読んだよ！ 続きが気になって仕方ない(笑) でも無理しないでね。 いい一年にしよう！ (2018年1月3日 0時) (
レス) id: 6cb1a01a88 (このIDを非表示/違反報告)
リナっち(プロフ) - つっつまーさん» こんばんはm(__)m更新お疲れ様でしたm(__)mそして……完結おめでとう(*≧∀≦*)いやー…よかった(〃ω〃)あたしは好きだ(〃ω〃)短編小説頑張ってなv(^o^)あたしもがんばりますv(^o^)完結目指して… (2018年1月3日 0時) (レス) id: 79a0b77c82 (このIDを非表示/違反報告)
リナっち(プロフ) - つっつまーさん» こんばんはm(__)m更新お疲れ様m(__)m紅白見ていた。新年から仕事(。´Д⊂)マジ泣きそうΣ(゜Д゜)更新続きを書き終わりました。また時間みてやりますm(__)mよいお年を(*≧∀≦*) (2017年12月31日 20時) (レス) id: 79a0b77c82 (このIDを非表示/違反報告)
つっつまー(プロフ) - リナっちさん» こんばんは。 お疲れ様！ 仕事納めがあったんだね。 ゆっくり休んでね。 小説はいよいよ最終決戦です。 リナも無理しちゃ駄目だよ。 体調に気をつけてね。 よいお年を！ (2017年12月31日 20時) (レス) id: 6cb1a01a88 (このIDを非表示/違反報告)
リナっち(プロフ) - つっつまーさん» こんばんはm(__)m更新お疲れ様m(__)mありがとう(///∇///)今年最後の夜勤終わったm(__)m更新遅くなるけど話書くからm(__)m話ありがとう(///∇///)無理しないでね(。´Д⊂)体調崩さないでね(。´Д⊂) (2017年12月30日 20時) (レス) id: 79a0b77c82 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つっつまー | 作成日時：2017年11月19日 0時
