リアル・ヒーローショー

15　開戦 ページ16

「見かけによらず随分と悪趣味じゃねぇか。
何が目的でこいつらを呼んだ？」

ゲーマドライバーを装着し、大我は問う。

「遊びたいわ、本当に遊びたいのよ。
さぁ付き合ってよ！」

少女は無邪気にそう告げて四人に向かって駆けてくる。

まるでこちらの話を聞かずに一方的に喋り、戦いを仕掛けてくるあたり、確かにRPGゲームのボスのようだと大我は思う。
もっとも、ここがRPGゲームの世界なのかは知らないが。

『バンバンシミュレーション！』

「第伍拾戦術。
変身！」

少女が向かってきた勢いのままに殴りかかってくる。
スナイプはそれを受け流し、幼い体に銃弾を叩き込んだ。

驚く周囲を他所にスナイプは鼻を鳴らす。

「流石はボスだな。
ゼロ距離射撃でも傷一つつかねぇ体持ってるなんてよ」

スナイプの言った通り少女は無傷だった。服にすら撃たれた跡がない。
代わりに邪悪な気配が膨らんでいく。
漆黒の弾幕が虚空から現れ、四人に降り注いだ。

「スターチェンジ！」

「転身・ポリマー！」

ナーガは星形のバリアで弾幕を防ぎつつスターチェンジを行い、武士はかわしつつ転身した。
鉄也はキャシャーンの姿に戻って直撃に耐え、スナイプは自分に降る弾幕を全て自分の銃弾で相殺した。

ヘビツカイシルバーがキューシックルで少女に斬りかかる。
が、いつの間にか少女が手にしていた両手剣によって刃は届かなかった。

その隙にポリマーとキャシャーンが後ろから迫る。
少女は見切っているかのように弾幕を発射した。
スナイプがそれを相殺し、爆発で少女の視界を遮った。

そこに届くのはポリマーとキャシャーンの攻撃、さらにヘビツカイシルバーとスナイプの連続攻撃だ。

だが少女も大人しくやられているわけではない。
剣と弾幕、そして小さな体格を生かして四人を翻弄し、確実にダメージを与えていた。

それだけではない。
漆黒の靄から異形を生み出して味方を増やしていく。
その数は膨大で、あっという間に異形の軍勢が出来上がった。

スナイプが舌打ちをし、銃弾を乱射して異形を片付けていく。
ヘビツカイシルバーもオフューカスインパクトでまとめて片付けた。
倒された異形はそのまま跡形もなく消滅していくが、まだエリア内を埋め尽くす程の数がいる。

「ポリマーホーク！」

埒が空かないと考えたポリマーは、飛行形態であるポリマーホークへ転身した。
ポリマーは上空から異形と少女をまとめて攻撃していく。

キャシャーンは少女の剣を受け止め、そのまま折った。

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