10 この世界 ページ11
「真空片手独楽！」
ポリマーが放った真空片手独楽で、最後の異形が壁に叩きつけられて動きを止める。
床や壁に張り付いたまま動かない異形達の中で、ポリマーは転身を解き、奥にある扉に歩み寄る。
きっと、大我はこの部屋に来たことがあるはずだ。
そこで彼が何を見、何を得たのかは知らない。
だが、それを自分が知らずにいるというのが嫌だった。
扉を開ける。
黄緑色の光が溢れてきた。
気にせずに中へ入り、そして、武士は言葉を失った。
黄緑色の光は、その部屋の中心にある円筒形の機械から発せられていた。
機械自体の高さは武士の腰程度までしかないが、その機械から出ている光が円を描きながら天井まで伸びている。
近付くと、その光が細かい0と1で構成されているのが見える。
まるでゲームのプログラムだ、と武士は思った。
横に視線を走らせると、そこにも横長の機械が対称になるように置かれていた。
片方は壁がディスプレイのようになっていて、そこに変身後の自分達の姿が映っている。
技やスーツの説明が書かれたそれは、さながら設定資料のようだった。
いや、きっとそうなのだ。
この世界は何者かが生み出したゲームか何かで、自分達は出会うべくして出会ったのだ。
恐らく、あの声しか知らない少女によって。
「何だよ、これ……」
武士がかろうじて出した声は酷く掠れていた。
こんなところを、大我は通ったというのか。
こんなところを知って尚、彼はここから出ようとしていたのか。
彼の態度があんなにも冷ややかだったのは、彼にとってここで起こることは全てゲームのイベントだと割り切っていたからなのだろう。
自分でもほぼ無意識にポリメットを掴んだ。
手の震えは怒りからでも緊張からでもなく、自分はこの世界ではただのキャラクターなのだという恐怖から来ていた。
ここを壊したらどうなるだろう。
世界が壊れて、元の場所に戻れないだろうか。
そう考えたが、出来なかった。
ここにいるのは自分一人だけではないのだ。
彼らまで危険には晒せない。
武士は結局、ポリメットから手を離してそのまま部屋を出た。
扉を閉めると、溢れていた光はあっという間に消えてしまう。
暗くなった視界に目が慣れてきたところで、武士は気付いた。
異形達が跡形もなく消滅している。
ここはやはりゲームの世界なのだ。
そのことを痛感した武士は、来た道を戻り始める。
曖昧な記憶を頼りに道を歩く。
大我に会わなくてはと、そう思ったのだ。
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つっつまー(プロフ) - リナっちさん» こんばんは、明けましておめでとうございます(二日遅れ)。 お疲れ様、そして返信遅くなってごめんなさい。 お仕事、すぐに始まるんだね……大変だ。 リナの小説読んだよ！ 続きが気になって仕方ない(笑) でも無理しないでね。 いい一年にしよう！ (2018年1月3日 0時) (
レス) id: 6cb1a01a88 (このIDを非表示/違反報告)
リナっち(プロフ) - つっつまーさん» こんばんはm(__)m更新お疲れ様でしたm(__)mそして……完結おめでとう(*≧∀≦*)いやー…よかった(〃ω〃)あたしは好きだ(〃ω〃)短編小説頑張ってなv(^o^)あたしもがんばりますv(^o^)完結目指して… (2018年1月3日 0時) (レス) id: 79a0b77c82 (このIDを非表示/違反報告)
リナっち(プロフ) - つっつまーさん» こんばんはm(__)m更新お疲れ様m(__)m紅白見ていた。新年から仕事(。´Д⊂)マジ泣きそうΣ(゜Д゜)更新続きを書き終わりました。また時間みてやりますm(__)mよいお年を(*≧∀≦*) (2017年12月31日 20時) (レス) id: 79a0b77c82 (このIDを非表示/違反報告)
つっつまー(プロフ) - リナっちさん» こんばんは。 お疲れ様！ 仕事納めがあったんだね。 ゆっくり休んでね。 小説はいよいよ最終決戦です。 リナも無理しちゃ駄目だよ。 体調に気をつけてね。 よいお年を！ (2017年12月31日 20時) (レス) id: 6cb1a01a88 (このIDを非表示/違反報告)
リナっち(プロフ) - つっつまーさん» こんばんはm(__)m更新お疲れ様m(__)mありがとう(///∇///)今年最後の夜勤終わったm(__)m更新遅くなるけど話書くからm(__)m話ありがとう(///∇///)無理しないでね(。´Д⊂)体調崩さないでね(。´Д⊂) (2017年12月30日 20時) (レス) id: 79a0b77c82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つっつまー | 作成日時：2017年11月19日 0時
