０８：『風邪ひいた』 いとこside クソ長男の場合 〜続くよ〜 ページ8
「「「「「『あう〜……』」」」」」
暗い部屋。
五人は布団で、私はソファの寝袋でうめき声を上げる。
そうここにいる私含め六人は
「「「「「『風邪引いた……』」」」」」
のである。
ちなみにメンバーはおそちゃん以外の弟共。
普通だったら襲い掛かってるところだけど、今日は無理。
マジで無理。
『そういや……おそちゃんは？』
「ｺﾞﾎｯ……ほんとだ、いないね……」
「くしゅんっくしゅんっ」
「へっくち」
「グッバイ、カラ松ガール……！！」
「ｚｚｚ……」
『こんな時にどこ行ってんの……！？』
信じられねえわ。
そんなとき襖があいた。
立っていたのは、笑顔のおそちゃん。
嫌な予感。
「パチンコ行こー！！」
そう言ってパチンコのチラシを突き出す。
何だホントに。今回ばかりは例外で言わせてもらおう、クソだなコイツ！！
「パチンコ行こー！ 新台入替だって！ これは行かなきゃ！
今日は当る気がするんだよねー、ま、そういって当たった事一度もないんだけど☆
AVと一緒！ 選んでるときが一番テンション上がるぅ！
って……何お前ら？ 何で寝てんの？」
「……行かない」
「何で！？」
「見てわかんない！？ 風邪引いてるでしょどう見ても」
「パチンコ行ったら治るよ☆」
「『んなわけあるかい！！』」
流石に突っ込んだよ。誰かが止めなきゃコイツは暴走し続けるタイプだから！
「ん〜困ったなあ……じゃあ兄ちゃんが看病してやるよ！」
「『結構です』」
「そんなこと言わないの☆」
そういっておそちゃんは両手に何かを抱えた。
「そ、それは俺たちの財布！？ ちょ何すんの！？」
『おい！ 何で私の財布もその山の中にあんの！？ 隠してたんだけど！？』
「買い出し行って来るね〜」
「待て！ おいクソ長男！！ 何に使うんだよ！？」
その叫びは空しく、閉まった襖にぶつかった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
襖があく。おそちゃんだ。ひどくがっかりしている。
「負けたぁ〜、全然当たらなかったヨー……」
ヨーじゃねーよ、ヨーじゃ！！ 私達の金どこ行った返せ！！
流石に寝てるトシ以外全員が切れたよ。
「……A、このクソ長男に風邪移してあげて……！！」
『任せとけぇ……！！』
ゆらりと立ち上がり、おそちゃんの首に手を回してロック。
「え？ あえ……？ どったのA……」
『うへへ……そんじゃあ』
『いただきます♪』
「ぎゃああ！ ディープキス止めてえええ！？」
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作者名：周期 | 作成日時：2016年7月28日 19時
