38:『チョロ松ライジング』 いとこside 自意識過剰な爆走 〜続くよ〜 ページ38
「いや〜それにしてもトッティ。働きたくないね〜」
『ん!? おそちゃん!!??』
「そうだね〜」
『トッティも何言ってんの!?』
「こうして誰かに養われる静かな日々を貫き通したい」
『情けね〜! 長男情けね〜!!』
「おそ松兄さんはどうしてそんな素敵なことしか言えないの」
『素敵じゃないから! 全然素敵じゃないからねトッティ!?』
「マジ長男頼りになるわ〜信頼できる好き〜」
『私もおそちゃん大好きだけどこれは違うと思うよ!?』
晴天。
外にも出ずグダグダしまくるおそちゃんとトッティ。
俗称、紅松だっけ?
なんだこのニートたちは。愛しい。
じゃなくて。
だがしかぁーし!! いつまでもニートでいられちゃ困る!
結婚した時相手のお給料ってのも結構大事だからね!
『二人は働く気無いの?』
「「うん」」
『即答ッ!!
もうちょっとチョロリン見習うとかないの?』
「でもさ〜結局あれ『就職してますアピール』じゃん?」
『んん……まあ、そうだね……』
「アピールしてても就職してなきゃ一緒だよ、チョロ松兄さんも僕らと一緒のクソニート」
「ついでに言うとクソDT」
『散々な言われようだね!?』
三人、そうしてそれぞれに時間を持て余していた。
襖が開く。
『チョロリン! どうしたの段ボールなんて抱えて』
「いや別にどうもしないけど?
ところで他の奴らは?」
「多分死んだ」
『死んでないし! ……みんなそれぞれ好きなとこに行ってるよ』
「あぁそう。まあいいや、ちょっと大事な話があるんだけど……」
『そうかついに私と結婚する決意が固まったのかチョロリン!
式場どこにする? いつ挙げようか?』
「違うって」
そう言うと、チョロリンは深呼吸して切り出した。
「僕ね、アイドルのファンやめる」
「「『……はああ!!?? 無理に決まってんじゃん、どうして急に!!??』」」
「いやそろそろ本気出そうと思って。この生活から抜け出したいんだ。
いつまでも無職でいられないし、いい加減遊ぶのはやめてちゃんと就活して自立する。
そして最終目標は高く、一人暮らし!」
キラキラとした笑顔で話すチョロリンの顔はとてつもなくかわいいんだけど、
呆れというか、口だけ感が否めなくて私たちは総スルー。
「ちょっと真面目な話があるんだけど。僕さ……」
「いや聞こえてるよ! 聞こえた上で無視してんの!」
ついにトッティがキレた。
うん。その気持ちは分からなくはない。
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作者名:周期 | 作成日時:2016年7月28日 19時