21:『一松事変』 一松side 奇人との終焉 ページ21
『あ、なあるほど。そういう事だったのね』
しばらく後、あの状況を説明するとAはにたりと笑った。
『……なーんてねウッソー!! 実は気づいてましたー!!』
「は、はぁ!?」
『可愛かったよお、キョドリながらひたすら似てないカラたんのモノマネをするいっちぃ。
うん。みんなに見せてあげたいくらいだった』
「やめろよ!? お前それ絶対やめろよ!?」
『まさか。脅迫できるネタをそう簡単に言いふらすような私じゃないよ〜』
「それならいいんだけど……」
ん? 脅迫?
「脅迫って何!!??」
『これをネタにしばらく金を頂きます☆』
「ゲッス!! 諭吉先生あげたじゃん!」
『冗談冗談! そんな事してたら罪悪感で死んじゃう〜〜!』
けたけたと底抜けに明るく笑う。
その姿が何故だかまぶしく見えた。
『結局さあ、いっちぃ』
「……何」
『正直に言えてればよかったんだよ』
「……さあ、どうなんだろうね」
『あの革ジャン、欲しいの?』
「……えっと」
『欲しいの? 欲しくないの? はっきりして。そこがいっちぃの悪いところだよ』
「……ぶっちゃけ」
『ぶっちゃけ?』
「……………………欲しい」
『そっか』
そうしてAは、背に隠していたものを取り出した。
『はい。好きなもの、買って来たよ』
それはどこかで見たような。
イタイ革ジャンだった。
そして俺はこの日から、本ッッッッッッッッッッッッ当に少しだけ、
この変人いとこの事を信用できるようになったのである。
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作者名:周期 | 作成日時:2016年7月28日 19時