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12:『風邪ひいた』 おそ松side キチガイの場合 ページ12

「あうぅ〜、みずぅ〜、水をくれぇ〜、あああ〜」

ボンレスハム宜しく簀巻きにしたカラ松を部屋の隅に転がしておく。

カナダ行って?

雪解け水の採取しようとしたら?

風邪ぶり返した?

もう何もすんなお前。ホント。

「あれ、……そういやAは?」

「さあ?」

「朝から居ないよね〜」

「……死んでたりして」

「いやあナイナイ! あんなのが死ぬわけないじゃん!!」

「そうだね〜」

「むしろ死んでたらちょっとびっくりっていうか」

「……まあ、確かに」

スパーンと軽やかな音を立てて襖が開く。

そこにはニカニカと気味が悪いほど元気な笑顔を浮かべたAが仁王立ちしていた。

『治ったあああああああ! 喜べ六つ子たち!! 治ったぞおおおおおお!!』

「「「「……うるせぇ」」」」

『こらそこの六つ子たち〜! 無駄な抵抗はやめて布団から顔を見せなさ〜い!』

「「「「やだ」」」」

『今度は私がみんなの看病するからね〜!』

「怖いわー」

『……ねぇ、六つ子たち知ってる?』

そんな事はお構いなしに、Aはらしくなく妖艶に微笑んだ。

「な、何を?」

『風邪ってね、人肌で温めると治るらしいよぉ』

「……あ、嫌な予感」

『そう! その通りだよいっちぃ!!』

Aは唐突に、んばっ、と効果音が付きそうなくらい勢いよく服を剥いだ。

その下はなぜかスク水。

何故そのチョイス。

『私がその布団に入って、一人一人に抱擁をくれてやろうではないか!!』

そしてル●ン並みのジャンプ。

『むうううううううつっごおおおおおおおおっ!!』

そこで俺たち(おれ、チョロ、トド、一)は無言で起き上がり、布団の位置を窓側へとずらす。

『おおおおおおおおおお……あえ?』

飛び上がってそのまま畳に追突する未来しか待ってないAの行く末を、

そのまま俺たちは黙って眺めていた。

ゴスッッ

『もぎゃあああああ!!!』

13:『風邪ひいた』 いとこside 未開生物の場合→←11:『風邪ひいた』 いとこ/?side 不憫な奴の場合



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作者名:周期 | 作成日時:2016年7月28日 19時

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