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そう結論づけた私だが、現実はそう甘くなかった。






「………は?なんだあれ」





私がいま何をしているかというと、柄にもなく書斎で歴史書をペラペラと眺めてる。それもこれも先の壁外調査で自分の無知を痛感したからだ。


分厚い歴史書も半分を超えたところ。屈伸ついでに書斎から窓の外を見た。そこからは馬の厩舎(きゅうしゃ)が見えるのだけれど、リヴァイとあの新兵が2人きりでいた。





「喧嘩うってんのかあの野郎」





健気に勉強している私を他所に女にモテやがる。
以前『(あっち)が勝手に来るんだ』とかいうベストイケメン台詞賞を聞いたことがあるが、それでも私はリヴァイが悪いと思う。







「……目がハート。乙女だな」







あの新兵といえば、決まって私がいない時にリヴァイの元へ行くので、私はあの新兵と話してみることもできずに悶々とした日々を送っている。敵視されているのだろうか。


リヴァイを見つめるキラキラとした瞳。時よりピンクに染まる頬。リヴァイとほぼ身長が同じ私と違って、リヴァイを見上げることができる身長。


純粋にかわいいなと思う。私が新兵の時とは大違いだ。というか完全に真逆。


こうしてみると、リヴァイはなぜ私なんかを好きになったんだろう。






「…………」






嫌なことを考えてしまった。



意外と面倒見のいいリヴァイはめんどくさいと言いつつも後輩が指導を求めれば拒むことはない。今もリヴァイの馬の傍で、新兵に何やら教えを説いているようだ。

大きなリアクションをとってリヴァイの馬を嬉しそうに撫でる新兵。

その隣の敷居で寂しく地面を見つめている愛しきキャロットよ。キミの気持ちはよくわかる。






「……おかげで現実逃避ばりに歴史書に没頭できるわ。」






それから気付けば書籍で5時間。次に窓の外を見た時には外は真っ暗になっていた。この集中力を誰かに褒めてほしい。








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さや - めちゃくちゃ面白いです、、文才能力高すぎません?? (8月29日 1時) (レス) @page28 id: da00e1cc19 (このIDを非表示/違反報告)
彗瀬 スイセ.(プロフ) - これ、、、もっと、、早く見つければよかった、、、、人生半分は損してると思う、、、、、最高です;−;無料で見てていいのか疑うぐらい好きです;−;お金払いたい!!!!!!また暇になったら第3段を!第3段を私達に恵んでください神様!!(深夜に失礼しました) (2020年9月5日 1時) (レス) id: 89fd83fb56 (このIDを非表示/違反報告)
kiehl(プロフ) - 最高に面白かったです今までみた物語の中で1番楽しかったです!! 是非続編を、、なんなら第3弾お願い致します、、!! (2020年6月21日 22時) (レス) id: 1414bb41f6 (このIDを非表示/違反報告)
天雪(プロフ) - 18ページ、最初らへん104期生が14期生になってますよ。細かくてすいません(´-`) (2020年4月29日 15時) (レス) id: 9e97a6dad3 (このIDを非表示/違反報告)
やまみず(プロフ) - とても面白いです!!これからも頑張ってください!! (2019年11月3日 4時) (レス) id: 2bdd2e1078 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白鈴 | 作成日時:2019年9月25日 0時

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