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人生とは、思うように行かないものだ。
別に特段
人より何かを持って生まれたわけじゃない。
家に少しお金があって、妹がひとりいた。
顔も勉強も運動も普通。
簡単に人を貶められるほど腹黒くもなく。
かと言って
人を全肯定できるほど優しくもなく。
本当に平凡で、
お金があることなんて、
人より確かに
裕福な暮らしをしたかもしれないけれど、
私にとっては瑣末なことで。
だってどうせ、私のものでは無いのだから。
だから家の跡継ぎなんて、どうでもよかった。
ボーカロイドにハマったのは、
これも本当に些細なことで。
ただそこで交わされる全ての営みが、
私にとってはすごく眩しくて、
私もその輪に入りたいと思ってしまった。
だから、本当に。
ほんとうに、後継とか、遺産とか、
全然。人並みに暮らせればそれでいいと。
あの日確かに私はそう言ったんだ。
自ら両親に談判したのであろう妹は、
私のその返事にたいそう嬉しそうに笑っていた。
私がいい人を捕まえて、
絶対にお姉ちゃんが後悔しないくらい、
いい家にするからねと。
じゃあまあ、たまには顔だそうかな、
なんて曖昧な未来に笑っていた。
それからすぐ私は家を出て。
それから気づけば、こんな所にまで来ていた。
歌を歌って、ネットを通じて勇気を貰い、
時に励まし合い、
くだらない話で笑い合えるような友達が出来た。
ずっと歌い手できるだなんて、
そんな夢見がちではなかったけれど、
まだまだ走って行けると、
本当にそう思っていて。
『相続の話だけど。
あの子、
好きな人が出来たから結婚するって言うのよ。
婿に入る気はないらしくて。
悪いんだけど帰ってきてくれるかしら？
本当に申し訳ないんだけどね』
やけに
心臓の音が大きかったことだけ覚えている。
水に潜った時のように、
音が遠くて、拍動だけが響いた。
『聞いてるの？
来月には帰ってきてちょうだい。
ちゃんと話もしたいし。
あの子も呼ぶつもりだから。』
「う、ん」
どうしてうんと答えたのか。
それでも育ててもらった恩があるのだ。
そんなもの知らない興味無い。
私は継がないって約束だったじゃないと、
怒鳴れたらどれだけだろう。
そんな簡単に済む話ではないと、
わかっているから余計にしんどい。
一代で築いたわけじゃないのよと、
よく両親は言っていた。誇りだと。
私の代で潰す訳には行かない。
ただ、できるなら。
妹は一度全力で殴りたい。
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ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2022年2月7日 18時) (
レス) @page14 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
寝子ちゃん - 初コメ失礼します！！お話しが私好みでとってもよかったです(//∇//)（上から目線すいませんm(._.)m）続き楽しみにしてます！！ (2021年2月21日 19時) (レス) id: 5563823ffc (このIDを非表示/違反報告)
チョコミント - うわぁぁあぁぁーーーーー！！！！ 久しぶりに好きな作品に会いました。更新停止と書かれておりますが、もう更新はしないのでしょうか？もしまだ更新しようと思っているなら待ってます！リアルでも頑張ってください！ (2021年2月11日 18時) (レス) id: 74038fe2ca (このIDを非表示/違反報告)
優涼(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます！！！ (2020年11月2日 19時) (レス) id: f01c4fb3e1 (このIDを非表示/違反報告)
- 雨宮れにさん» ありがとうございます〜！！頑張ります！！ (2020年10月30日 23時) (レス) id: b2c1568879 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2020年9月3日 19時
