【黒バス】君の名前を俺は知らない

20…… 嬉しいような、苦しいような ページ22

10月、学校も部活も休みの日に、急にさつきから電話が掛かってきた
風呂上りだったから、濡れていた手をタオルで拭いて、画面をタップした






「あ、もしもしさつき？
どうしたの急に掛けてきて、急用？」


「うん、そうなの!!
あのねA君…… 明日買い物に付き合ってくれない？
来週、そ、その…… テツ君との、で、デートなのっ！！」






画面越しに、キャア!! と言う声が聞こえた

…… デート、と言う言葉にショックを受けてしまった


赤司から聞いてたけど、さつきには彼氏がいないはず…… なのに、なんで？


固まって何も喋らなくなった俺に、優しく声をかけてくれたさつき

嬉しいような…… 苦しいような







「あーさつき、テツ君って誰？」


「えっ、テツ君？
テツ君はね、バスケ部で“キセキの世代の幻のシックスマン"って呼ばれてるの！！

そして、私の初恋っ！」


「へー、そーなんだ
そんなにカッコイイ奴なの？」


「うんっ！！！
だから、ファッションセンスの良いA君に全身コーデを頼みたいの！

ダメかな？」








最後の言葉を聞いて確信した

さつきは…… 本当に、テツ君ってヤツが好きなんだ。それを俺は邪魔しようとしているんだ


本当は諦めたくない、けど、さつきの恋は…… 応援してあげたい








「分かった、じゃ、明日迎えに行く
後で住所教えてくんね？ グーグ●マップで探すから」


「了解！！
それじゃ、明日ね！！」








ごめん赤司、俺、無理だわ

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