第195話 弟分と失恋へなちょこ馬 ページ13
塀の上からニッと笑いかけると、珍しく恭弥が目をまあるくして驚いてくれた。
「ユキ！」
驚愕の表情から一転、弾けるような眩しい満面の笑みを見せるへなちょこ馬。
差し出された手を取り、ひょいと塀から降りるとぎゅっと抱きしめられた。
【やーい、浮気者〜】
ちがうし！ 不可抗力だし！
「よかった……！ 戻って来たんだな、ユキ！」
『う、うん。あの、ディーノ…』
べりぃっ
「うおっ！？」
「ユキに抱き着かないでくれる」
ナイス恭弥！
無事の生還を心から喜んでくれてるから離しにくくてさぁ……助かったよ。
恭弥によって容赦なく引き剥がされたへなちょこ馬は項垂れてる。
【ちょっと照れてたくせに〜】
なっ……雪兎だって、魅惑のボディを持ったお姉さんに抱きしめられたら照れるでしょ！
「五体満足で帰ってきてくれて嬉しいよ」
『うん、私も久しぶりに恭弥の顔が見れてよかった。ディーノもありがとうね』
「おう！」
「だからさ…」
『そうだね…』
「ん？ どうした二人して？」
ぽんぽんと恭弥の頭を軽く撫でていた私と、大人しく撫でられていた可愛い弟分。
仲良さげな私たちの雰囲気が殺伐としたものに一変し、へなちょこ馬がたじろぐ。
どうした、って……私と恭弥が会ったらそれはもう…
「遊ぼうか」
『どのくらい強くなったかな』
戦闘するに決まってるじゃないか！
【そうだったーー！！ こいつら戦闘狂じゃねーか！！】
「んなっ！」
「い、委員長…」
おっ、いつの間にかリーゼント集団は恭弥にボコされたらしい不良と一緒に撤退していたらしい。
残っているのは草……草くわえくんだけだ。
【草くわえ、って何！？ 草壁哲也だろ！？】
あー、そうそう、そんな名前だったね。
「ま、待てよ恭弥！ ユキも戦闘なんて、体とか大丈夫なのかよ？」
『大丈夫。呪いは解けて、雪の者の柵からも解放されて力が有り余ってるくらいだから』
「へぇ。それは楽しみだな」
肉食獣じみた笑みを浮かべる恭弥。
【おまえも似たような顔してんだろ】
草くわえくんが後ずさるような顔だとは言っておくよ。
「さぁ、始めようか」
『かかっておいで』
「すぐにその口を聞けなくしてあげる」
(そういや、未来のユキとスクアーロは結婚してるんだよな…)
(失恋だな、ボス)
(ロマーリオ！)
(それとも略奪するか？)
(なっ、そんなことしねーって！ ユキが幸せならオレはそれで充分さ)
(ははっ、それでこそボスだぜ)
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霽月(プロフ) - 緋雨さん» ありがとうございます!! お陰様でなんとか完結させることができました。いつもコメントありがとうございます。たまに番外編ものぞいてやってくださいね。これからも精進します!! (2019年8月30日 21時) (
レス) id: a6fc521fe8 (このIDを非表示/違反報告)
緋雨 - ハル姉 完結おめでとうございます！！ ユキちゃんとスクアーロの結婚式 読んでてとても面白かったです！！ 今までとても素敵なこの作品を書いてくれてありがとうございます！ お疲れ様でした！ (2019年8月30日 20時) (レス) id: abe5765737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霽月 | 作成日時：2019年6月17日 23時
