第136話 逮捕案件 ページ46
「え゛」
『来たな……
引きつった顔をするミドゥーザの視線の先には、マシマロ野郎とは目の下のアザが逆になった長髪バージョンの男。
露出魔とか逮捕案件なんですけど！
【そもそもマフィアは逮捕案件だよなぁ】
「また巨人！？ もうやだヨ、せっかくパンファがいなくなったのにぃ……まさかユキ様、僕たちが戦うのってアレ？」
『そーだよ。私たちじゃないとアレは無理だね！』
「ええ〜！」
戦場にユキちゃん到着！
「お母さん！」
「母さん！」
「ユキお姉ちゃーん！」
「師匠！ って、またあの男……！！」
歓迎さんきゅー！
思っていたよりも重傷者がいなくてよかった。
【そういや、川平不動産での襲撃を受けて負傷者ゼロだったんだよな。きっと雪那たちが頑張ったんだな！】
さっすが私の子と弟子たちだよ。
それに……スクアーロとディーノもそう大きな怪我はないみたいで安心した。
『術士は解析！ おチビさんかクロームちゃんはボンゴレ匣で頼んだよ！』
「「はい！！」」
『いい返事だ。この場にいるすべての人間は匣を仕舞ってリングを外して！！ 攻撃もしないで、戦場から目は離さないながらも障害物の後ろに隠れてて！！』
「なっ！？ どういうつもりだ！？」
「ししっ、いいからユキの言うこと聞いておけって。ありゃマジの顔だから」
「う゛お゛ぉい！！ 雪華はこっちに来い！！」
「うん！」
炎はなびいていない、ということは一度でも当たったらまずい光線はまだだ。
「彼をどう見ますか？」
「ミーの勘では、幻覚ではありませんねー」
「うん、私もそう思う」
「正解です。実在している」
え？ おチビさんとクロームちゃんが静かに匣の取り合いしてる？ んなまさか……
「ちょッ、クローム！ 爪、爪が刺さってます！」
「骸さん、匣から手を離して。私が解析するから」
「僕だってボンゴレ匣を使って形態変化してみたいんですぅ！」
こどもが玩具を取り合うんじゃないんだから……なーにやってんの、はぁ。
【あ、六道骸がクローム髑髏の身長より上に持ってったぞ。大人げない奴だ】
「クフフ！ ムクロウ、形態変化」
へぇ、アレがD・スペードの魔レンズか。
【デイモンに魔レンズ越しに睨みつけられた奴は呪われて、翌日になると海に浮かんでたんだぜ】
それじゃ、魔レンズじゃなくて呪いのレンズだね。
「(これが霧のボンゴレ匣……さぁ、GHOSTとやらの正体と弱点を暴いてもらおう……)」
第137話 識っているから→←第135話 大切な人たちが生きるこの世界は
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作者名：霽月 | 作成日時：2019年5月9日 21時
