第131話 絶対防御領域 ページ41
おチビさんはどうやらヴァリアーの幻覚をつくって遊びたいようなので、次はブルーベルのデータを入手しましょうか。
「こんのっ」
「
逃げるブルーベルに投擲される数多のナイフ、そして電撃。
「うわー、技に自分の名前入れちゃうとかイタタタター。相も変らぬオリジナルのダサダサナイフ投げるとかイタタタタ―」
「フラン、集中して」
「はーい、クローム姉さん」
クロームと師匠には素直なのですがね…
「にゅ！
なるほど、雨の炎を可視化するほど分厚くして展開した防御壁ですか。
「あの女、なんて強力な防御壁を！！ あれを何とかしないと勝てんぞ！！」
「おいレヴィ、オレを雷エイに乗せな」
「オレのエイに！？」
「どーせおまえ、バランス感覚なくて乗れねーじゃん」
「ぬぐっ……仕方あるまい…」
流石です、腕を上げましたねクローム、大変よくできています。
ちらりとおチビさんに視線をやる。
「センパイ方ー、ミーたちに10秒かしてくださいー」
「あー？ フラン、てめーどこ行ってたんだよ。つーか10秒って何のことだし」
「そうだ！ ボスの役に立つのはこのオレだ！！」
「まぁまぁ、そこの彼らも一枚噛んでるみたいだし、ここはフランの言うことを聞いてあげましょ〜」
オカマには案外話が通じるのですね。
さ、ここからは僕やフランもクロームの幻術に加わらなければ。
相手がどんな反応をするのかわかりませんからね。
「よっしゃミンク♪ 炎最大だ」
雷エイに乗ったベルフェゴールの指示の下、彼の匣兵器が嵐の炎を放出し、それが雷エイを覆う。
「ゆけ！！ レヴィダイブ！！」
「ベルダイブだっつの」
そのままブルーベルの防御壁を突き破り、レヴィとルッスーリアがそれに続く。
「キャアア！ 来たぁ！！」
「チャオ♪ 殺し屋だよん」
「防御壁が破れたわ！！ 今よ！！」
「仕留めてやる！！」
これは……彼らが突撃する前に幻覚と入れ替えていて正解だったようですね。
「にゅっ、バーカ」
「何！？」
「体が！！」
「動かないわ！！」
幻覚の彼らが雨の炎のプールに溺れる。
「ひっかかった、ひっかかったー！ クラゲ・バリアの内側が本当の私の絶対防御領域なのよ〜っだ！」
ブルーベルはわざと派手な防御壁を展開し、彼女が纏う不可視かつ純度100％の雨の炎のフィールドを隠していたようだ。
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作者名：霽月 | 作成日時：2019年5月9日 21時
